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釜石シーウェイブス 佐伯悠 運命に導かれた”ラグビーの街”釜石への縁「シーウェイブスに憧れ、釜石で人を育てるサイクルに」

今年7月、釜石へ”帰還”し新たなスタート

引退後はコーチを1年間勤めたのち、昨年秋から地元神奈川県に転勤となった。仕事の傍ら、母校の系列校で高校生を指導していた。

ただ、コロナ禍の状況で家族を残し単身赴任中で釜石への想いも心にあり、戻りたい気持ちを持ち続けていた。そんな中、今年6月ある転機が訪れる。新聞の夕刊に釜石市でラグビーの人材専門員募集の記事が掲載されていることを知った。

「釜石に骨を埋めるつもりで受けてみよう」

そこからトントン拍子に話が進み、6月後半に試験を受けて採用が決定。7月から釜石に戻り活動を開始した。

ラグビーの人材専門員とは、市内の小学生から高校生までの部活動やシーウェイブスの下部組織を対象にラグビーの裾野を拡大させるために設置された役割である。

「ラグビーを指導する現場に携わっていきたいとずっと思っていましたし、挑戦したかった”釜石ラグビーのハブ”になれる一番のポジションかなと。まさに願ったり叶ったりでした」

現在は釜石に戻り、市の指導員として後進の育成に力を入れている(本人提供)

1日数校を回り、日が沈むまで生徒たちとしてラグビーに向き合い、充実した日々を過ごしている。

生徒たちを教えるにおいては、いかにラグビーを楽しんで”ハマってもらう”かに重きに置いているという。

「中学生までは今持っている自身の素材で勝負することを意識しています。『スペースを作って走ったら面白いよね?キックもやっていいんだよ』などと発想の幅を広げてもらおうと。

学生の子たちがが自分からやり始めたときに僕もやりがいを感じます。相手から聞きに来てくれたり、また聞きやすいようにヒントをまぶす。それで成長してくれたら嬉しいですね」

佐伯はシーウェイブス一筋で選手生活を送り、今後も釜石からラグビー界を発展させたいと考えている。最後に抱く夢を語った。

「1人でもラグビーが好きで携わる子を増やしたい。シーウェイブスに憧れを持ち、そして釜石で人材を育てるサイクルをつくりたいです。釜石には環境や土壌があります。なので何としてとしてでもやらなければと思っています」

佐伯のラグビーへの情熱と釜石への愛。そして使命感が釜石ラグビーをさらに強固な文化へと成長させていく

(おわり)

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