横浜DeNAベイスターズ ビジネススクールで展開する ”世界最先端”の取り組みと「全員が真に一体となって選手と向き合うチーム」に向けた人材育成
ベイスターズの行う人材開発の歴史や取り組み
第1回の2つ目のプログラムは「ベイスターズの行う人材開発」。ここでは、チーム統括本部育成部部長の桑原義行さんが登壇した。
桑原さんは、ベイスターズで外野手として7年間プレーした元選手。05年から11年まで在籍し、翌年のDeNA初年度から球団職員としてのキャリアをスタートさせた。
なお、前章で紹介した壁谷さんとは12年の入社時から上司・部下の関係として共に仕事をしてきた間柄。
「(12年は)社会人1年目でしたが、当時から上司である壁谷さんに色々教えていただいています」と、今も”師弟関係”が続いている。
桑原さんが講義で紹介したのは、「ベイスターズの人材開発の歴史」の講義と「人材における考え方・作りたいチーム」について講義+ワークショップを行った。
「ベイスターズの人材開発の歴史」では12年から現在までのプロセスを解説。
参入当時は池田純球団社長や高田繁GM、そして中畑清監督というカリスマ性をもった方々のリーダーシップで現場そして職員全員の意識改革を行っていったという。
14年ごろから徐々に成果が表れ始め、チームビルディング研修の導入も開始した。15年以降、観客動員が増えていきチーム力が上がっていったことに伴い、コーチ向け・部門向けといった専門研修を導入していった。
球団は16年に球団初のクライマックスシリーズ(CS)進出、17年にはDeNAとなってから初の日本シリーズ進出を果たす。ベイスターズの取り組みは、スポーツ界にとどまらず多方面から常に注目の的となっていた。
これを契機に18年以降、人材育成についてもさらに加速させ、外部の研修を企画・実施していった。
具体例としては、「スポーツ心理学」「スポーツ栄養」「バイオメカニクス」など、専門家を招いた研修などを幅広く導入した。
20年にはチームMVV(MISSION・VISION・VALUE)を制定。昨年には木村洋太社長が、
「20年後に世界一のスポーツチームとなることを目標に、まずは5年間で世界最先端の取り組みをしているスポーツチームになっていくことを改めてここで皆さんと共有して、進んでいきたいと思います」
と年頭挨拶で語った通り、”世界一のチーム”になるべくさらに組織創りの仕組みを整備している。
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