
「皆さんと共にコミュニティを創っていきたい」鈴木啓太が描く未来に向け伝えたいこととは?
サッカー元日本代表、浦和レッズで活躍した鈴木啓太氏は現在、株式会社AuB(本文以下、AuB)の代表として腸内環境の研究や情報発信などを行い活動の幅を広げている。
自身が幼少時から教えを受け、現役時代の経験で培ってきた「腸内環境の重要性」。これが今の活動の根幹となっている。
今回、鈴木氏がなぜ腸内環境の重要性を感じたのか、そして立ち上げたAuBをどのようにして成長させてきたのか。全4回の連載企画としてお送りする。
ついに本編で最終回。新型コロナウイルス禍になった昨年を振り返るとともに、今後描く未来に向け取り組みたいことを語った。
(取材協力 / 写真提供:AuB株式会社、文:白石怜平 ※以降、敬称略)
20年当初、「模索をしていた」BtoC事業と古巣への”復帰”
19年に倒産の危機を乗り越えたAuB社は、「腸内細菌の特許ビジネス」「フードテック事業への参入」の”2つの攻め”に舵を切った。
同年9月に日本橋に研究拠点を設置し、12月には腸内環境を整える待望の第一弾商品「AuB BASE」を発売し、構想を具現化させていく。
商品をリリースした当初、ようやく出せたという安堵もありながら試行錯誤の日々が続いた。その時ならではの悩みを鈴木は打ち明けてくれた。
「我々が今回初めてBtoCに参入したので、模索していた段階でした。どうやってフィードバックしようか・どう言ったら伝わりやすいか。さらに言えば販売システムをどう整備するかもありました。将来のことを考えて、今後どう好循環を生み出せるかという点も含めて、模索をしていた時期でした」
模索する一方で、着々とパートナーも増やしていった。
2月にはプロ野球・読売ジャイアンツと選手の栄養サポート分野での取り組みを開始。また同月には京セラと腸内細菌に関する共同研究の契約締結を発表した。
しかし、そんな頃に日本のみならず世界を襲ったのが新型コロナウイルスの感染拡大。
外出自粛など規制がかかる中、AuB社においても影響は及ぶ。大切にしているユーザーの声をリアルで聞く機会がなくなってしまったのだ。
AuB社は現在、商品についての広告は多く出していない。プロモーションも大切な要素であるが、それ以上にユーザーの意見や双方のコミュニケーションを重要視している。
”多くの方に腸内細菌の大切さを知ってほしい”
その目的があるからこそ、ユーザーの生の声を大切にしたい想いを持っている。
「我々としては広告を出して商品を宣伝し、買ってもらばいいという話ではないと考えています。例えば、『腸内フローラって何?それってヨーグルト食べること?』って思われる部分があると思いますが、いやそうではないと。
詳しい方は知っていますが、馴染みのない方々にどうしたら腸活を日常の中に取り入れていただけるか、それを今もずっと考えています」
コロナ禍においてもAuB社は歩みを止めず突き進んだ。
大きな出来事の1つとして、鈴木が15年以来の”古巣復帰”を果たしたことだ。浦和レッズと21年2月下旬にパートナー契約を締結した。アカデミーの強化を目的としており、サプリメント「AuB BASE(オーブ ベース)」の売り上げの10%を、アカデミーの強化費等に充てる。

特設する浦和レッズ専用特設ECサイトにて販売し、“腸活”を通じレッズサポーターの健康に寄与することで、16年間在籍したクラブへ新たな形で恩返しを始めた。
また、20年10月には第二弾「AuB MAKE」を販売開始することを発表。こちらも「AuB BASE」同様に、創業からの研究結果を凝縮したもので、商品化まで約4年かけて完成した商品である。
「筋肉と腸と栄養の関係」に着目した腸内環境を整えるプロテインとして、21年1月から販売開始している。
今後は商品化や特許ビジネスを具現化するため、現在は安全面の検証と並行しながら企業や研究機関などのパートナーを増やすべく活動している。

9月、創業から念願の新ビフィズス菌発見
冒頭で攻めの1つとして挙げた「特許ビジネス」。こちらでは9月に大きな発見を果たした。
元オリンピック選手から発見された特殊なビフィズス菌を見つけ出したのだ。この菌を「AuB-001」と名付け、世界初の事例として国際特許を申請する。
「AuB-001」は、特徴的な腸内環境を持つ元オリンピック選手に着目。その中から特異的な腸内細菌を見つけ分析を続けた結果、新しいビフィズス菌であることを突き止めた。
創業当初から探し求めていた、『アスリートから特有の菌を見つける』。今回、その第1号の菌をついに発見した。

現在は特許ビジネスや商品化に向け、安全面を検証中。それと並行して企業や研究機関などのパートナーを増やすべく動いている。
見つけたばかりの新しいビフィズス菌。今後の活用について鈴木は
「AuB-001が与えるものは、もしかしたらまだ一部なのかもしれません。我々が研究を進めることで明らかにしていきたいです」
と可能性を広げていきたいと語った。
AuBが描く未来を実現するために
現在はInstagramのライブ配信などを通じてユーザーとの交流を図り、多くのメディアで積極的に腸内環境の大切さやAuB社の魅力を発信している。
鈴木も今後、こうした活動をは続けていきたいと考えている。
「私たちは自分たちのプロダクトに自信を持っています。なので、アスリート以外の方々にもお届けしたいですね。そのためにも、”腸”がどれだけ人間の体に関与しているのかをお伝えして行かなければいけない。
オンラインでも直接お話をさせていただいて、我々の魅力もそうですし、なぜ『AuB BASE』『AuB MAKE』なのかも伝えたいです。お互いに理解を深めることで、私たちとともにAuBが描く未来に近づく、そして皆さんと共にコミュニティを創っていきたい。そう思っています」

8月より7期目に入り、0から始まったアスリートの検体は33種目・750人以上になり、あと数年で1000人に届く勢いである。
また、鈴木が語った”AuBが描く未来”、それは「年齢を重ねてもアクティブに活動できる世の中」を創ること。
そんな未来の実現に向けて、鈴木は先頭に立って今もピッチを走り続けている。
(おわり)