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「睡眠を自分ごと化するきっかけに」リカバリーウェア「リフランス」独自の技術とこれまでの過程に迫る
近年、需要が高まっている「リカバリーウェア」。 大手のスポーツメーカーが数々と販売している中、注目を浴びているウェアがある。
その一つが、一般医療機器のリカバリーウェアを展開する「HLコーポレーション」が販売しているパジャマ「リフランス」。
19年9月より本販売を開始したリフランスは「プラウシオン(R)」という特殊素材を活用し、大手メーカーとともに売り上げを伸ばしている。
今回、このリフランスに詰まった技術と開発の経緯などについて、同社の友部崇さんにお話を伺った。
(取材 / 文:白石怜平)
リフランスの鍵を握る「プラウシオン(R)」
この「リフランス」が使用する技術。1番の特徴は冒頭の通り、「プラウシオン(R)」を用いていることである。
プラウシオンとは、「トルマリン」や「シリカ」といった数種類による天然鉱石の混合体で、全身の血流改善作用や活性酸素の除去といった効果があると学会でも発表されている。
リフランスはこのプラウシオンをコーティング(含浸)させた繊維や生地を用いて製作。「一般医療機器」として大手メーカーとの差別化を図っている。

繊維のイメージ図(HLコーポレーション提供)
鉱石が発する微弱な遠赤外線が、交感神経と副交感神経から成る自律神経の中でもリラックス状態に働く副交感神経に作用。
筋肉の緊張をほぐし血流を促進することで、疲労回復や安眠、肩や首のコリ軽減へと導く。友部さんも、
「着るだけで血流が良くなったり眠りの質がよくなる。(個人差はありますけれども)どうやったらパジャマの快適性が出るか。そういったことを一歩ずつ、縫製業なので突き詰めています」
と語り、親会社である小島衣料の縫製業で培ったノウハウも注入できる利点がある。
2年越しの新規事業実現
では、このリフランスをなぜ開発するに至ったか。それは小島衣料の石黒崇社長の「企業は永遠ではない。進化していかないといけない」という考えが元にある。
時代に合わせて進化するために、闇雲に手を出すのではなく縫製業との親和性があるもの、そして石黒社長直下に置き、意思決定をスムーズにすることでよりスピード感を出していく方針を掲げた。
そして、別会社にすることで業績のリスクヘッジを図ることで親会社への影響を最小限にするよう計画を進めていった。しかし、15年ごろに抱いた新規事業の構想はすぐには実現には至らなかったという。
会社に興して行うに足りる新規事業が見つからずに約2年ほど経った17年、一瞬にして転機が訪れる。それはある展示会に視察にいった時のことだった。
「展示会で出会ったのがこの”プラウシオン”でした。最初出会った時は衝撃でした。社長が身に着け、『毛細血管の動きが速くなった』と。可視化できたのですが、1~2分で本当に良くなりました。
血流が良くなるというのは健康にもいいし、着るだけで実現できるというのはそう目にはかかれない。我々は縫製業をやっているのでビジネスにできるのではないかと考えました」

展示会では枕カバーとシーツが販売されていたことから、石黒社長は後日直接伺い、生地を譲ってもらい試作品としてパジャマを製造した。
自身そして部下にも試してもらい、「肩のこりがほぐれよく眠れた」といずれも体感を得られたため、事業化することが決定。
プラウシオン(R)と織物の独占契約を締結した17年10月、ついにHLコーポレーションを設立。3ヶ月後にテスト販売を始めた。