横浜DeNAベイスターズ ビジネススクールで展開する ”世界最先端”の取り組みと「全員が真に一体となって選手と向き合うチーム」に向けた人材育成
12月3日から1月28日の間、横浜市内で「第3期 横浜スポーツビジネススクール」が開催された。
横浜DeNAベイスターズが開催しているビジネススクールで、現在29名の大学生・社会人が生徒として参加。本プログラムではどんな内容が展開されているのか、各回にフォーカスし、連載でお送りする。
(取材協力:横浜DeNAベイスターズ、文:白石怜平)
ベイスターズに注入されている世界最先端のチーム事例
横浜ビジネススクールは、横浜DeNAベイスターズが運営する会員制シェアオフィス&コワーキングスペース「CREATIVE SPORTS LAB(以下、CSL)」で行われている取り組みの一つ。
21年10月に第1期が開講されて以降、昨年3月の第2期そして先日第3期を終えた。
第3期1回目のテーマは「ベイスターズの事例から学ぶ、チーム力向上に向けた取組み」。
講義では、まずチーム統括本部 副本部長を務める壁谷周介さんが登壇した。
壁谷さんは、DeNAが球界に参入した12年にコンサルティングファームからベイスターズへ転職。社⻑室⻑兼地域貢献室⻑から始まり、ファーム・育成部⻑兼国際グループリーダーなどを経て、1月よりチーム統括本部副本部⻑(兼育成シニアディレクター)に就任した。
講義で説明したのは、「世界最先端のベンチマーク」「国際戦略・海外球団との連携」「最新テクノロジーの導入、R&Dチーム立ち上げ」の3点。
「世界最先端のベンチマーク」では、MLBを始め世界最先端を走るスポーツチームで活用されている事例を参考にしながら、ベイスターズで導入していったものを紹介した。
壁谷さんは12年に入社以降、システム化並びにデータ化をチームで浸透させてきた実績を持つ。
入社当初は、スカウト陣が時間や場所問わず選手の映像を共有・閲覧できるようクラウドを導入。
現在10球団が導入しているトラックマン(球速や回転数・打球の角度や飛距離などを計測する機器)を15年にセ・リーグで初めてチームに取り入れたのも壁谷さんの提案からであった。
プレーの数値化・可視化をすることで選手のパフォーマンスアップに繋げていく取り組みを今も球団として日々改善を図っている。
また、世界最先端のベンチマークを実現させた大きな例が育成環境の整備である。横須賀市の追浜公園内に「DOCK OF BAYSTARS YOKOSUKA」を新設し、19年7月から使用している。
ファームの練習拠点であると共に、秋季トレーニングなどで1軍選手も多く利用するなど、チーム強化の要となる場所となっている。
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