
川崎ブレイブサンダース サンロッカーズ渋谷と直接対決 残り26秒で10点差を追いつくも惜敗し、レジェンドのとどろきラストゲームを飾れず
ファジーカスのとどろきラストゲームは物語のような熱戦に
川崎が3位に浮上し、地区2位争いがさらに混戦となったGAME2。この日は特別な試合でもあった。
開幕前に今シーズン限りでの現役引退を表明していたファジーカスにとって、ホームのとどろきアリーナでシーズン最後の試合を迎えた。
「とどろきアリーナは今までの人生の中で多くをプレーした場所なので、それが最後になるというのは名残惜しいところもあります」と今節前にコメントを寄せていたファジーカス。

チームメイトそしてファンもこの日が来てほしくないという寂しい思いを抱えながら迎えた。「NICK THE LAST」に花を添えるとともに、チャンピオンシップ進出に向けた”絶対負けられない戦い”となった。
ブレイブレッドに染まった川崎のファンは開始から声を枯らすかのような大声援を送った。これまで以上に大きな声援が、この試合への期待そして重要さを物語っていた。
第1クォーターの開始は、お互いにプレッシャーからかシュートが決まらず約2分間硬直状態が続いた。均衡を破ったのはこの男だった。ファジーカスがジャンプショットを決め、アリーナを歓声の渦に巻き込んだ。

点の奪い合いが徐々に始まって行く中、最後にトーマス・ウィンブッシュが3Pシュートからのバスケットカウントで4点を決め、18-13とリードした。第2クォーターもファジーカスが3Pシュートを決め、もう一度勢いをつけるとウィンブッシュが9得点をマーク。

しかし渋谷も負けじと反撃。ホーキンソンらに加えてキャプテンのベンドラメ礼生、津屋一球も得点に絡むなど前半は37-36と川崎の1点リードにまで縮まった。
第3クォーターは、ファジーカスが最後の雄姿を見せるべくけん引すると、ウィンブッシュとヒースも続き最大10点差を付けた。しかし、ここでも渋谷が猛反撃に出た。
前日20得点を挙げたジェフ・ギブス、そして田中大貴も3ポイントシュートを決めるなど存在感を放ち、ホーキンソンは今クォーターまでに19得点挙げ、川崎は逆転を許した(57-59)。

そして最終クォーター。ファジーカスにとって、とどろきでのプレーが終わる瞬間が刻一刻と迫るとともに、その余韻に浸ることも許されないほど、1点が天国と地獄を決める緊迫した展開が続いた。
開始早々に田中がジャンプショットで2点を加えると津屋も3Pシュートを成功させるなど攻勢を仕掛け、開始4分時点で渋谷が10点差を付けた。
川崎に残された時間は約6分。ただ、劣勢でもブレイブレッドを身に着けた者誰一人として諦めていなかった。アリーナの応援はさらに声量を増し、選手の背中を後押しした。
ファジーカスが得点を決めてボルテージをさらに上げると、さらに3Pシュートも決めて追い上げの気運を自ら高めた。残り1分を切ろうとしていた中、ここから物語のような展開を見せる。
長年共にけん引してきた藤井が連続で3Pシュートを決め、残り40秒で3点差。誰もが”あと3Pシュート1本で追いつく”と思った中、残り26秒でウィンブッシュがシナリオ通りと思わせる3Pシュートを決めた。


アリーナが揺れるかのような悲鳴と歓声がこだまし、逆転勝利に向けた準備は整った。しかし、完結はアリーナの大半が描いた通りにはならなかった。
”ディフェンス”の声援が響きわたるも、残り3秒で田中がジャンプショットで勝ち越しを許すと、最後にボールを持ったのはファジーカス。自ら3Pのエリアからシュートを放った。
入れば逆転勝利でゲームセット、最高の物語が幕を閉じるはずだったが、無情にもネットを通ることはなかった。
77-79で川崎は涙を飲み、ファジーカスの最後を飾ることはできなかった。

佐藤HC、篠山キャプテンの会見
引退セレモニーが行われた後、記者会見でまず佐藤賢次ヘッドコーチ(HC)と篠山が応じてくれた。佐藤HCも目を赤くしながら、開口一番「悔しいです。ただそれだけです」と言葉を絞り出した。
「40分間で全てを出し切ろうと送り出して、選手たちは本当に頑張ってくれて、第3Qからオフェンスが停滞した時間が長かったのかなと思います。
ただ、(CS進出の)可能性がゼロになったわけではないので、最後の最後まで諦めずに、いい準備をして来週2試合もチームとして戦い続けたいです」と語った。

最終クォーターで10点差をつけられならがも、残り1分を切ったところで追いついた。この点について質問すると、
「よく追いつけたと思いますし、選手たちはよく準備して戦ってくれましたけど、結果が本当に大事な試合だったので、最後勝つことができなかったのは選手たちに申し訳ないと思います。
ずっとハーフコートオフェンスが上手くいっていない中で、最後の方は縦にアタックするということをもう一度指示を出して、いい形に繋がりました。
昨日の試合は、縦へのアタックがとても効いて、今日は1個1個のスクリーンだったり、縦に割っていくというプレーが減ってしまったところがオフェンスの停滞を招いてしまったと感じています」と悔しさが勝るコメントとなった。
篠山もこの試合について、
「最後の最後まで粘って本当にあともう少しのところまでいって、勝利を手繰り寄せそうなところもありましたけど、本当に難しい試合になったと思います。
ニックも言ってましたが、最後何とかシュートまでは持って行けましたが、あともう一歩だったなと思います。冷静に振り返りきれていない部分もありますが、残念な悔しい結果になりました」と心境を述べた。

残り試合については佐藤HCと同様、
「(CS進出の)可能性も消えていないですし、『NICK THE LAST』を掲げて、『All-In』というスローガンのもと戦ってきたこのシーズンが、どういう終焉になるのかまだわからないですが、しっかり自分たちで納得のいく形を残り2試合で出せればいいなと改めて思います」
と最後まで望みを捨てずに戦う姿勢を示した。そしてファジーカスも会見に姿を現した。セレモニーでの模様と合わせて紹介する。
(つづく)
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