川崎ブレイブサンダース  シーホース三河と中地区直接対決 2位奪取は叶わずも攻守で光ったベテランの”技”

4月20日・21日、川崎市のとどろきアリーナでB .LEAGUE 第34節「川崎ブレイブサンダース vs シーホース三河」の試合が行われた。

同地区による直接対決、チャンピオンシップ進出圏内の2位争いは熾烈を極めた。

(写真 / 文:白石怜平)

初戦は最終盤までの接戦を川崎が制する

今節は現在地区2位の三河と3位・川崎による対決。川崎が連勝を飾ればチャンピオンシップ圏内の2位に進出する2試合となった。

初戦、第1Qはトーマス・ウィンブッシュがフリースローやレイアップシュートを決めるなど先制点を挙げる。

序盤から攻撃を牽引したウィンブッシュ

さらに藤井祐眞が相手の激しいマークで倒れながらも3Pシュート、バスケットカウントでフリースローも決めるなど4点をマークした。

藤井がバスケットカウントで4点を奪った

第1Qを24-19とリードを奪った川崎は、さらに点差を広げる。ここで存在感を放ったのが長谷川技。第1Qで3Pシュートを決めると、第2Qでもさらに2本決め、9得点を挙げた。

この試合、4本の3Pシュートを決めた長谷川

後半からは三河が反撃体制に出た。これまで川崎が4得点に抑えていたダバンテ・ガードナーがこのQで10得点を挙げ勢いづくと最終Q、特に終盤が緊迫した展開となった。

57-48と川崎がリードして始まった最終Qだったが、ガードナーを中心に猛追を見せた。残り20秒となったところでジェイク・レイマンが3本のフリースローを全て決め1点差に。

残り13秒からは両チームで計3度のタイムアウトや川崎もヘッドコーチチャレンジを活用するなど、0.1秒も無駄にしない執念をお互いに見せた。

最後はロスコ・アレンと藤井がフリースローを決め、69-65と川崎が勝利。僅差の試合を制し、連勝を5に伸ばした。

川崎が5連勝で初戦を制した

GAME2はガードナーが28得点をマークするなど三河に軍配

そしてGAME2、勝利した方が中地区2位となる一戦。

第1Qは3Pシュートの決め合いになった。序盤で三河が3本決めると、川崎はフリースローと2Pのみで逆転。そこからニック・ファジーカス、そして藤井と野﨑零也が2本ずつ決めた。

両チーム5本ずつ記録する点の奪い合いとなった今Qは、川崎が27-25でリードした。

3Pシュートを2本決めた野﨑

第2Qも川崎は5得点を挙げリードを広げるも、三河はここから反撃に出た。

ガードナーが14得点をマークし、前日後半の活躍を早くも見せ川崎が逆転を許す展開に。さらに第3Qは久保田義章が3Pシュートを2本決めるなど差を少しずつ広げていった。

三河の攻撃の中心を担うガードナー

65-72で川崎がリードを許し迎えた最終Q、序盤にジョーダン・ヒースの3Pシュートなどで4点差まで縮め、最後まで分からない展開を見せた。

しかし、三河は再びガードナーが躍動しこのQでも12得点を挙げるなど、一気にリードが広まった。

GAME2は81-97と川崎が敗れ、三河が地区2位をキープした。

「リーグ屈指のディフェンスプレイヤーと言われる所以」

佐藤賢次HCは2試合を終えて、

「選手は本当に最後の最後まで頑張ってくれましたが、悔しい敗戦となりました。ただ(CS進出の)可能性がゼロになったわけではないので、最後の最後まで顏を上げて良い準備をして来週からあと4試合、死に物狂いで頑張りたいと思います」

と残り試合に向けて語った。

残り4試合、望みが消えたわけではない

これまで佐藤HCが会見でも口にしてきたのが”チーム内競争”。2月のバイウィークから3月の試合が空いた期間で徹底して行ってきた。そのことについて問うと、

「今もコートに出る選手はしっかりプレーしてくれていますし、特に今日鎌田(裕也)は2分しか出る機会はなかったですが、ガードナー選手にいいディフェンスをしてくれた。準備しているからこそできるプレーだと思うので、チーム全体で緊張感を持って取り組んでいると思います」と答えた。

今節、川崎で特に輝きを見せたのが初戦のMVPでもある長谷川。会見で、攻守共に自身で良かった点について訊くと、

「セットプレーでボールが来たのでしっかり(3Pシュート)を決め切れたので良かったと思いますし、ディフェンスではゾーンの時にガードナー選手にハイポストでマッチアップするときがあって、そこで相手の嫌がることを徹底できたと思います」と振り返った。

また、佐藤HCは長谷川の活躍についてこう評した。

「4本の3Pシュートに目が行きがちになると思いますが、彼の一番すごいところは後半の一番大事な場面(最終Qの開始時)でスティールしたところ。あれがチームにとってとても大きかったし、リーグ屈指のディフェンスプレイヤーと言われる所以だと思います」

次回は週末にサンロッカーズ渋谷とここも同地区3位・4位同士の直接対決。チャンピオンシップ進出に向けてまだ希望の灯は消えていない。

(おわり)

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