
【Dリーグ連載 第3回】来季からLDHが参戦 EXILE HIRO「日本中にDリーグブームを」 全16チームで2ブロック制導入
Dリーグは25日、都内で会見を開き、来季25-26シーズンから、EXILEなどのアーティストが所属するLDH JAPANのチーム「LDH SCREAM」が新加入すると発表した。同人にM&A総研ホールディングスも加入することで、Dリーグは全16チームとなり、8チームずつの2ブロック制の導入も発表された。(取材/記事:飯島智則、表紙写真はⒸD.LEAGUE24‐25)
M&A総研ホールディングスも
主な発表は4点で、いずれもDリーグにとって大きな内容だった。
❶来季から2チームが新規加入し、全16チームとなる。新チームはLDH JAPAN、M&A総研ホールディングスがオーナーとなる。
❷全16チームを各8チームの2ブロックに分け、各ブロックが7ラウンドずつの14ラウンドに、サイファーラウンドを加えた全15ラウンド、そしてチャンピオンシップを戦う。ブロックごとに2日間に分けて開催される。
※つまり2日連続の初日はAブロック(仮称)の8チーム、2日目はBブロック(同)の8チームが登場する。
❸会場は今秋開業予定の「TOYOTA ARENA TOKYO」に変更となる。住所は東京都江東区青海1丁目。新交通ゆりかもめ「青海」駅から徒歩4分、りんかい線「東京テレポート」駅から徒歩6分。
❹SEPTINI RAPTURESのオーナー企業が、株式会社チェンジホールディングスに変更される。
ファンにとって注目はLDH JAPANの参入だろう。会見には同社で代表取締役会長兼社長CEO兼CCOを務め、新チームのオーナーとなるEXILE HIRO、さらにはディレクターとなるEXILE NAOTOが登場した。
まずHIROが新規参入の理由を説明した。

「Dリーグをもっと盛り上げるにはどうしたらいいか、この2年ぐらい自分なりに考えていまして、その答えが、やっぱり自分たちが一番得意とするところ…自分たちでチームを持って、スター軍団を作って参加し、リーグ全体を盛り上げたいと思いました。日本中にDリーグブームで席巻したいです」
三代目 J Soul Brothersをはじめエンターテイメントのパフォーマンスで活躍を続けてきたNAOTOは、対戦形式となるDリーグのダンスとの差を語った。
「最近のDリーグを見て、より競技性が高まり、ダンスを知らない方でも見やすくなったなと思っています。ですから、その競技性の中でどうやって色を出すか。そして僕が大切にしてきたカルチャーであったり、グルーブ、雰囲気を大事にして、なおかつ勝ちにいけるチームにしていきたいです」
会見では2ブロック制に関する質問も相次いだ。どのようにブロックを分けるのか? 例えばダンスのジャンルによって分ける方法もある。しかし、Dリーグの神田勘太朗COOは「くじ引き」と答えた。
「くじ引きなのか、ネオくじ引き(新しい方法の意)なのか。まだ(アイデアが)降ってきていませんが、そういう方法を考えています。プロ野球のセ・リーグ、パ・リーグのように、ずっと固定ではなく、変えることになると思います」

それぞれをAブロック、Bブロックと仮称すると、例えば2日連続の初日はAブロックが登場して対戦し、2日目はBブロックが登場する。1日ですべてのチームを見ることができなくなる。しかし、この点もさらなるプラス要素としていく考えだ。
「ファンと触れ合う時間を増やしていきたいと考えています。まだ詳細は決まっていませんが、全チームで活動していくと考えてください」
Dリーグでは現在もラウンド観戦だけでなく、開始前に出場しないメンバーがイベントを開催し、ラウンド後はお見送りとしてファンとDリーガーが触れ合う機会がある。各種プロリーグの中でも特徴といえる部分であり、ここが強化されるのであれば、ファンにとってもメリットは大きいだろう。詳細は未定だが、ファンにとって喜ばしい改革であることを期待したい。
なお、LDH JAPANは新チームのメンバーを決めるオーディションを開催するという。エントリーは3月25日午後11時59分まで。合格者は新チーム「LDH SCREAM」のメンバーとして活動する。
募集要項は「2025年4月1日の時点で満15歳以上の男性」「Dリーガーとして年間契約が可能な方」「契約期間中に都内近郊に住居可能な方」「国籍不問」「合格後、LDHと所属契約ができる方」「芸能プロダクションやレーベル、育成スクールに所属している場合は了承を得てから応募」「未成年(18歳未満)のエントリーは保護者の同意が必要」などとなっている。
エントリー方法など詳細はオーディションHP(https://www.ldh.co.jp/news/detail.php?lang=jpn&site=LDH&newsid=0000050057)

◆D.LEAGUE 株式会社Dリーグが運営する世界初のプロダンスリーグ。2020年に9チームで発足し、ダンスのアート性、スポーツ性を融合させた新しい形のエンターテイメントを提供している。ダンスのジャンルはヒップホップ、ブレイキン、ロック、ジャズ、クランプなど幅広い。開催中の24-25シーズンは14チームで、各チームの総当たりとサイファーラウンド(輪になって即興でダンスをするスタイル)を含め全14ラウンドを戦うスタイルで、上位6チームがチャンピオンシップに進出する。
◆飯島智則(いいじま・とものり)2025年からフリーのスポーツライター、大学教員の二刀流で活動を始めた。1993年に日刊スポーツ新聞社に入社し、主にプロ野球担当として横浜(現DeNA)巨人などを担当。2003年からは松井秀喜選手と共に渡米して大リーグを、帰国後は球界再編後の制度改革などを取材した。近年はDリーグに力を入れている。
著書「松井秀喜 メジャーにかがやく55番」「イップスは治る!」「横浜大洋ホエールズ マリンブルーの記憶」「メンタルに起因する運動障害 イップスの乗り越え方」(企画構成)。ベースボールマガジンでコラム「魂の野球活字学」を連載中。