
サンロッカーズ渋谷・小島元基 「いつも通りです」と語る平常心と東京ダービーで揺らいだ本音
「少し感情入ってしまいましたね」
自身やチームがどんな状況であろうと常に平常心で臨んでいる小島元基が、本心を吐露した。
それはシーズン最終節となったアルバルク東京戦でのこと。
会場のホーム・青山学院記念館のスタンドは黄色そして赤色に分かれ超満員となり、両者で長年盛り上げてきた“東京ダービー”でのボルテージは試合前から上がっていた。
さらに小島にとってA東京は2021−22シーズンまでの5シーズンを過ごした古巣。互いに知り尽くしたかつての仲間とのマッチアップでもあり、自然と気持ちが入るのも無理はなかった。

コートに立てば厳しいマークを受けて激しく転倒する場面もあれば、フリースローでもその活躍を知るA東京の応援席からより激しいブーイングも浴びた。
それでもそのフリースローを1本決めて見せ、このGAME1はプレー時間が18分23秒と、自身にとって今シーズン最長時間を記録した。
小島はこの最終盤に永吉佑也と共にチームの危機を救っていた。前節の横浜ビー・コルセアーズ戦、リード・トラビスに続き田中大貴が欠場を余儀なくされていた。
そんな中横浜BC戦 GAME1では途中から出場すると、今季初得点となる3得点をマーク。
特に最終Qでは「練習からみんなで考えて共有してやっていました」というアタックを積極的に仕掛け、ジョシュ・ホーキンソン、ケビン・ジョーンズのシュートに繋げるなど4アシストも決めた。

結果この試合のMIPにも選出され、黄色く染まった青山学院記念館のスポットライトを一身に浴びた。
この試合では「いつも通り準備して、ミスが起きたら修正してうまくいけばよかったの繰り返しです」と冷静に振り返っていた。

A東京でのやりとりに戻ると、GAME1後に翌日も行われる東京ダービー2戦目でMIPになる可能性もあることを問われた際「あまりそういうことは考えないです(笑)」と、これまで通りの平常心で臨むことを明かしていた。
また、これまで冷静に答えてきた理由を垣間見ることができた。
「実は、ルーキーの時に『ヒーローになったら』とか言っていたらコーチに怒られたんです(笑)。なので狙わないです。
自分の経験上、結果としてMIPになった・優勝したっていう意識の方が達成できていたので、いつもこの試合・このシーズンという想いで臨んでいます」

サンロッカーズ渋谷は4日の試合で2024-25 レギュラーシーズンの全日程を消化。小島にとっての2024−25シーズンは東京ダービーで、その健在ぶりを両チームのファンに示して終えた。
(写真 / 文:白石怜平)
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