「渋谷の“みるスポ!”2025 」発足! 区と5チームが手を取り、「チーム渋谷」で地域に明るい未来を

2日、渋谷区役所で 「渋谷の“みるスポ!”2025 」の共同記者会見が行われた。長谷部健区長を始め参加チームのトップが参加し、背景や今後の展望などを発表した。

(取材 / 文:白石怜平)

渋谷区と5つのチームが連携し発足

本プロジェクトは、渋谷区におけるスポーツの“見る”体験をアップデートするものとしてスタートする。

さまざまな競技の枠を超えて区民に試合観戦の機会を多く提供することで、地域の繋がりの創出や人々のウェルビーイング(心身ともに満たされた状態)を高めることを目指している。

今回は渋谷区と同区のスポーツ協会に加えてアルバルク東京・サンロッカーズ渋谷(バスケットボール)、FC東京(サッカー)、東京グレートベアーズ(バレーボール)、CyberAgent Legit(ダンス)の5チームが手を組んだ。

冒頭では渋谷区の長谷部健区長が挨拶。

「渋谷区にはトップアスリートやチームのプレーを見ることができる場所がたくさんあります。

生でスポーツを見ることで得られる感動、そしてアスリートの躍動を肌で感じることが子どもたちに夢を与え、スポーツへの親しみを持ってもらうことにつながると考えています。

それが渋谷区のスポーツ振興、さらには国民の健康につながっていければと思っております」

冒頭に想いを述べた長谷部健・渋谷区長

プロジェクトにある3つのポイント

渋谷区スポーツ協会の久保田淳氏がポイントを挙げながら説明を行うとともに、各チームのトップが意気込みやプロジェクトへの想いを語った。(CyberAgent Legitは都合により映像のみ)

久保田氏は、「渋谷の“みるスポ!”2025 」のポイントに3つを挙げた。

渋谷区スポーツ協会の久保田淳氏

①競技の枠を超えて、世代を超えて本物に触れる機会を

「渋谷には世界に誇れるトップチームが集まっており、間近で体験できる環境があります。このプロジェクトでは競技の垣根を越えて、世代問わず誰もが気軽に観戦できるように、区民の皆様を会場へとご招待していく機会を作っていきます」

②アスリートが地域に出向き、双方向のコミュニケーションを

「アスリートが学校や地域の場に足を運ぶことも、このプロジェクトの大きな柱です。 学校訪問や地域イベントへの参加を通じて、子どもたちが憧れの選手と直接触れ合い、夢を持つきっかけになってほしいと考えています」

③スポーツのアクセスに課題がある方々にも、観戦の機会を

「観戦環境へのアクセスが難しい方々にも、スポーツの感動を届けていくことを目指しています。この取り組みにおいてはすでに5月25日のFC東京のホームゲームに障がいのある方々とその家族をお招きするなど、すでに始まっております」

発足の背景は「地域課題の解決」

渋谷区はこれまでもスポーツを通じた地域課題の解決へと積極的に取り組んできた。

昨年11月には東京に本拠地を置く15のプロスポーツチームや団体から成る「TOKYO UNITE」と連携し、「スローイング×マルチスポーツチャレンジ in笹塚中学校」を開催。

これは、区内の小学生の遠投記録が都の中でも下位に位置しているということで、遠投記録を伸ばすプログラムとしてマルチスポーツからアプローチした。

今回の発足の背景に区の課題が絡んでいるかを問うと、長谷部区長は「課題感があったことから発足につながった」と答えた。

その課題とは区における部活動の競技人口減少である。

渋谷区でも部活動の地域移行に向けて進んで取り組むなど、区の子どもたちが長くスポーツを続けられるよう知恵を絞っている。これらの話を踏まえて久保田氏、そして長谷部区長が課題を挙げていた。

「小学校から中学校に行く時に私立へ行く子が約半分ほどいます。なので、例えば中学校1学年1クラスの公立校に進学すると、野球やサッカーのような人数を多く必要とする種目が成り立つのが難しくなっています」(久保田氏)

「以前は渋谷区から都大会優勝とかたくさん出てたんですけど、競技人口が少ないのもあり、今はそこまでつながらないのが現状です。

ですので、区民がスポーツに触れることをもっと増やさなければならないというのが課題としてあったので、力を入れていきたいと考えていました。 

見る専門でもいいですし、見ることが一つのきっかけになって実際に始める子どもたちが増えてほしいという願いがあります」(長谷部区長)

チーム渋谷でスポーツを底辺から支える

渋谷区民を対象とした試合への招待などを検討し、観戦機会増やすためのイベントなどを展開していく予定。今回「チーム渋谷」が結成され、渋谷区からスポーツそして地域に明るい未来を照らしていく。

(おわり)

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