釜石シーウェイブス 佐伯悠 震災から再度動いた時計の針。最も忘れない「人生で1番ラグビーが楽しかった日」
風化させないために
佐伯は主将を13年まで務め、15年からコーチ兼任を経て19年に現役を引退した。現役では13年間、シーウェイブス一筋でプレー。
震災を実際に経験したからこそ伝えられることがある。
「いつも言うのは大きな地震が来たら逃げましょう。僕は必ず最初に言います。津波の可能性があったら真っ先に逃げてください。生きることが1番ですし生きられなければラグビーも楽しめないので」
そして、シーウェイブスのジャージを着てプレーすることの意義について問うと佐伯はこう続けた。
「釜石シーウェイブスには今後も多くの選手が来ると思いますが、皆さんにはこのチームのあり方を理解をしてほしい。我々は支えてくれる方たちがいて初めてこのチームが成り立っているんだと。
僕たちは震災を経験しましたが、それはとても大きなことです。あり方や置かれている環境を再認識できましたので。私からは押し付けられないですから、自発的に感じられるようになればと。
これらを理解をできれば、自然とラグビーやシーウェイブス、そして街が好きになっていくと思うんですよね。なので今後も新しい選手がそう感じてくれると僕は嬉しいなと思います」
(つづく)