「僕の中ではすごい得だと思っているんです」埼玉武蔵ヒートベアーズ 由規投手兼任コーチ 自らが感じる現在地そして未来のNPB戦士へのアドバイス
「自分が体現しながら教えられる」今の自身のメリット
ベアーズの在籍時では昨年から兼任コーチとしてアドバイスを送る立場になった。NPBで成功した一方で、怪我で長く苦しむなど栄光も挫折も味わってきた。これらの経験を踏まえ、選手たちにこうアプローチをしている。
「ハングリーさを出していいと思っています。押し付けないように気をつけているのですが、『NPBの選手はもっと練習しているよ』と。”NPBはこれだけの量をこなしている”という基準でメニューを組んだりしています。
僕たちのシーズンが終わる頃はNPBは優勝争いしたり、終わっても秋季キャンプがあるわけです。なのでNPBを目指す選手たちにとって遊んでいる暇はない。
自分で使える時間があるからこそ、野球のことだけ考えてほしいです。そうすれば終わった時に悔いはないと思うので」
NPB時代に何度も訪れた選手生命の危機を乗り越え、今もその右腕を降り続けている。ロングインタビューの最後、野球人・由規として目指す方向性を語ってもらった。
「野球も時代が進むにつれてどんどん変わっていってます。その一方で、野球人口が減っている事実もあります。そこをもう一度野球人口を増やすために、僕もさまざまな世界の野球を経験しながら現役そしてコーチへと率先して動いています。
これは僕の中ではすごい得だと思っているんです。自分が体現できて教えられるというのが一番の教材になる部分だと思いますから。
自分も責任と自覚を持ってプレーをしてるので、少しでも現役を続けていく中で若い選手たちに”あぁいう選手になりたい”と思ってもらえれば、野球人口の増加にも微力ながら貢献できると思っています。
なので、自分の価値をどんどん高めていきながら野球人生を送れたらいいなと思います」
7月1日に台湾・楽天モンキーズへの入団を電撃発表。初めての海外リーグへの挑戦となった。由規の野球人生のページはまだまだ厚く刻まれていく。
(おわり)
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