「選手そして地域から”ここでプレーしたい”・”応援したい”チームに」関西独立リーグ 兵庫ブレイバーズ 伝統と挑戦で目指す姿とは
さわかみ関西独立リーグに所属している「兵庫ブレイバーズ」。神戸市や三田市を中心に、兵庫県を拠点に活動している。
前身の「神戸9クルーズ」時代から形や名称を変え、一時は経営危機にも陥るなどさまざまな危機を乗り越えてきた。第2回の今回は、グラウンドの外で行われているブレイバーズの伝統と新たな取り組みについて川崎大介代表に伺った。
(取材協力 / 写真提供:兵庫ブレイバーズ、取材 / 文:白石怜平)
設立から10年以上続けている”朝のあいさつ運動”
兵庫ブレイバーズを語る上で、地域との関わりは外すことのできない重要なピースである。神戸・三田から始まり、チーム名改称のきっかけとなった兵庫県全域と、10年以上の年月をかけて絆を深めてきた。
地域活動の1つの例として、川崎代表はユニークな取り組みを最初に挙げた。
「特徴的な活動としては、選手たちが2人1組ユニホーム姿で周辺の小中学校に出向き、”朝のあいさつ運動”というのを行っています。年1度ではあるのですが、2週間ほどかけて地元の45校を回って学校の前で先生たちと一緒に”おはようございます!”と生徒さんたちに声をかけています」
このあいさつ運動はかねてから行われており、川崎代表も球団を引き継ぐことになった際にも”これは続けたい”と強く希望したものでもあった。
というのも、これはブルーサンダーズ設立当初から行われている活動で、10年以上に亘り受け継がれてきた球団の文化だからである。
「創設時から続けているので、”ブレイバーズと言えば朝のあいさつ運動”というのが地域に浸透しています。今20歳を過ぎている地元企業に勤めている方たちが、『私、小学校の時に来てもらっていました!』と声をかけていただくこともあり本当に嬉しい気持ちになります。今後も続けるとともに、回数も増やしていきたいですね」
地域そして球団の未来を担うかもしれない子どもたちだけでなく、今を支える大人の方々に向けて、スタジアムを通じて少しでも親しみを持ってもらう企画を実施してきた。
ブレイバーズの本拠地は三田市のアメニスキッピースタジアム(城山公園野球場)。バックスクリーンの後ろには緑が一面に広がっており、澄んだ空気に満ちた野球場である。
公式戦開催日には練習終了から試合開始の時間を使って結婚式をグラウンド上で行う「スタジアムウェディング」、夏休み期間中には公式戦のイニング間に打ち上げ花火を上げた。
特に花火はNPBを始め他のリーグでも行われているが、ここでもブレイバーズならではの”味”があった。
「試合で打ち上げる花火は、地元の小学校の子どもたちに好きなイラストを描いてもらって、それを実際に表現しました。なかなかインパクトがあって、子どもさんだけでなく親御さんにもとても喜んでいただきました。
集客にも繋がっていますし、これも続けていきたいと思っています。球場も後に緑が広がる球場なので、できるだけたくさんの人に来て自然も感じていただきたいですね」
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