「地元の方直接触れ合うことでファンが増えていく」兵庫ブレイバーズ 久保康友 初の独立リーグ挑戦と”レンタル移籍”から感じた地域密着の原点
「直接触れ合うことで地域に根付いていく」
このような印象を抱いたのには理由があった。それは選手として実際に参加したからこそ気づいたことだったという。
「実は、独立リーグって地域の中でまだ浸透しきれていないんですよ。実際に野球をやっている僕ですら感じたので、野球に興味を持っていない地元の人たちはもっと馴染みが薄いと思うんです。いくらこちらから発信していっても、アンテナを張っていない方や野球好きじゃない人に響くのは難しいですよね」
もっと独立リーグを地域に根付かせたい。そのために必要なことを語ってくれた。
「やっぱり人と人なので、直接選手と触れ合ったりするとそこからお客さんが増えるきっかけになります。そういった取り組みからファンを呼ぶことで独立リーグを盛り上げられるのではないかと。
イベントに行くだけではなく、その周りにいる人たちと”会話する”という行為がとても大切なんです。身近に感じていただいて、『野球やっているんですね、では一度観に行きますね!』となっていくので。地元の方と直接会話をすることに意味があるのだと思います」
実際に触れ合うことでアンテナを張ってもらう。久保がファンを増やしたあるエピソードも交えて続けた。
「実際グラウンドで練習していたときに、地元の方が興味津々で話しかけてくださる方がいたんです。
僕も『今こんな経緯で兵庫で野球をやっているんですよ。よかったら観に来てください』とNPBでやってた話も添えると、『元プロですか?次いつ来られるんですか?』と聞いてくれたので、『いついつに試合やるのでぜひ』と直接伝えたら、毎試合来てくれるようになりました。すごいありがたいですよ」
コロナ禍の影響で、会話することも満足にできない日々も3年近く続いた。制限は徐々に緩和傾向にある中で、改めて大切なことを思い起こさせてくれた。
「発信することも必要ですが、選手一人一人が地元のイベントに来てくれた方たちと話をすることが確実にファンが増えていくことがわかりました。やっぱり人間って会話することが大事なんだなぁってなおさら思いました。基本的なことなんですけどね(笑)」
久保が感じた課題感は地域の面だけではない。ユニフォームを着てプレーする野球人として、グラウンドの中で感じたことがあった。
(つづく)
【関連記事】
「今週末に届くチケットが来なくて2ヶ月が…」久保康友 海外挑戦で経験した各国の文化 〜海外リーグ編①〜