
KADOKAWA DOREAMS 傘が折れる危機も白星発進!新体制の変化は?
第一生命 D.LEAGUE25-26 REGULAR SEASON ROUND.1 開幕戦BLOCK VIBE」が10月26日、東京・江東区のTOYOTA ARENA TOKYOで行われた。各チームの熱い戦いはもちろん、リニューアルされたハーフタイムも大いに盛り上がった。(取材/記事:飯島智則、表紙写真はⒸD.LEAGUE25-26)
予備もメキメキッと…
KADOKAWA DREAMSは、傘を使ったシンクロパフォーマンスが圧巻だった。
障子を使って目まぐるしい舞台転換をしながら進み、中盤で8人が一気に傘を開いた。傘を回しながら座り、再び立ち上がって一斉に閉じる。傘の動きもすべてシンクロしていた。
障子が動くと、颯希(SATSUKI)からKELOに代わったり、FLAMEのエースパフォーマンスに転じたりと、舞台の切り替えも見事で、観客の視線をくぎ付けにした。障子から飛び出すアクロバットな技も、バリエーションの豊富さを見せつける一因となった。
実は、ポイントになった傘に危機があった。ラウンド後の勝利インタビューに現れたKELOが言う。
「KADOKAWA DREAMSは結構、道具を使うんですけど、今回は傘という小道具が入りました。それが本番直前に折れてしまって……一応、予備があったんですけど、1本しかなくて、それもメキメキッと危ない状況になって、選手たちのソフトな扱いで、何とか……」

今回のテーマは「零ノ刻(ゼロノトキ)」。昨シーズンで3連覇を逃し、開幕戦は新しいKDを披露する舞台でもあった。
KDは今年9月、大幅な体制変更を発表した。
ディレクターをHINATA.Mが担い、メンバーも個々の役割、目的に応じて契約形態を変えた。Dリーグを戦い抜く「D1」「D2」、ダンサーという枠組みを越えたエンターティナーとして世界を目指す「AVANCE」、さらにはアーティストとのコラボやイベント企画、制作、出演など新しい形態を目指す「FW」など、昨シーズンまでDリーグを舞台に共に戦ったメンバーが、それぞれの道を歩み始めた。
しかし、KELOは言う。
「そうですね~。体制は変わったんですけど、以前Dリーグに出ていたメンバーは制作の一週間前になると全員集合するんですね。30人から40人で、一つの作品に対してブラッシュアップする作業なんかをやりました」
昨シーズンまでと変わらないということか?
「以前と変わらないというか、むしろパワーが増して、今シーズンを走り抜けられる確信があります。そこは体制が変わったことによって生まれた、心強いところです」
門出を勝利で飾った新KD。今シーズンのパフォーマンスからも目が離せない。
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新ハーフタイムも大盛り上がり
今シーズンからはハーフタイムも変わった。「スペシャルステージ&スペシャルミーティング」と題し、出番のないブロックのチームが登場して会場を盛り上げる。
この日はマッチはVIBEブロックのため、HYPEブロックのチームがハーフタイムに登場。まずはチームごとに登場して流行曲に合わせてダンスを披露した。オリジナル曲を使うマッチとは違う、楽しげな雰囲気が会場に漂った。チーム全員が登場するところも、ファンには嬉しいイベントだろう。
その後は、Dリーガーたちがアリーナ席の通路を回り、観客とハイタッチや写真撮影に応じた。通路で即興ダンスを披露するDリーガーもいて、大いに盛り上がった。


◆飯島智則(いいじま・とものり)2025年から大学教員、フリーのスポーツライターの二刀流で活動。1993年に日刊スポーツ新聞社に入社し、主にプロ野球担当として横浜(現DeNA)巨人などを担当。2003年からは松井秀喜選手と共に渡米して大リーグを、帰国後は球界再編後の制度改革などを取材した。近年はDリーグに力を入れている。
著書「松井秀喜 メジャーにかがやく55番」「イップスは治る!」「横浜大洋ホエールズ マリンブルーの記憶」「メンタルに起因する運動障害 イップスの乗り越え方」(企画構成)。ベースボールマガジンでコラム「魂の野球活字学」を連載中