兵庫ブレイバーズ 久保康友 グラウンドで感じた独立リーグの課題とNPBを目指す選手たちへ伝え続ける想いとは?
かつてロッテや阪神、DeNAで活躍し、通算97勝を挙げた久保康友投手。NPB在籍時は”松坂世代最後の大物”・”投げる哲学者”といったフレーズもあり、多くのファンに愛されている。
42歳を迎える今シーズン、自身初の国内独立リーグ所属となるさわかみ関西独立リーグの「兵庫ブレイバーズ」に入団し、若い選手たちにとって大きな刺激となっている。
今回、久保投手に特別インタビューを実施。自身初の独立リーグで戦った1年とともにNPB、海外と渡り歩く”流浪の野球人”としての生き様を伺った。
連載企画の第2回はグラウンドで感じた独立リーグの課題などをお送りする。
(取材協力 / 写真提供:兵庫ブレイバーズ、文:白石怜平 ※敬称略)
グラウンドで感じた最初の課題感
メキシコでプレーした19年最後に新型コロナウイルスの影響で実戦から離れていたが、今シーズン約2年ぶりにようやくプレーを再開した久保。
これまでセ・パ3球団、そして国境を越えアメリカ・メキシコと渡り歩き、今回初の国内独立リーグでの挑戦となった。グラウンドレベルで感じた関西独立リーグの印象を尋ねると、まずある課題感を抱いたという。
「試合数がNPBに比べると50試合弱なので、1/3ほどしかないんですよ。そうなってくると、選手にとってのチャンスまだ少ないという印象を持ちました。レギュラーの選手でもそう思うので、控えでレギュラーを狙う選手からするともっと少ないですよね。そういった環境をもっと整備してあげたいなというとすごく思います。これは選手の目線でやってみないとわからないことなので」
さわかみ関西独立リーグは今シーズン48試合が行われた。しかし、NPBでは1軍だと公式戦135試合にポストシーズン、2軍でも100試合前後行われている。これは、将来的な競争相手になるであろうNPBの選手よりも現時点で少ないことを意味している。
「つまりアピールすることができないので、これまで自分が毎日練習でやっていたことを出す場が少ないのが現状なんです。そこを何とかしたいと感じました」
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