• HOME
  • 記事一覧
  • 指導 / 教育
  • 「スポーツ出身者でもっと国を背負えるような人材を輩出したい」現役監督と語る”高校野球の未来とスポーツマンシップ”(前編)

「スポーツ出身者でもっと国を背負えるような人材を輩出したい」現役監督と語る”高校野球の未来とスポーツマンシップ”(前編)

”勝利至上主義”からの変化とは?

両者は8日に行われた、NPO法人BBフューチャー主催の「筒香嘉智選手と野球界の未来について語ろう」にも参加。

筒香選手はDeNA在籍時から勝利至上主義からの改革を提言し、以降賛同者が徐々に増えている。中村氏は、現在高校野球の指導者である森林氏に、どんな変化が起きているかを問うた。

「勝利至上主義というのはどのスポーツでもあると思います。勝利を目指すのはもちろんそうだが、”至上”となると、どんな手段を使ってでも勝てばいいことになってしまう。例えば、サイン盗みしてでもとか、指導者が体罰してもいいという発想になりがちだった」

就任当時から感じていた、高校野球界での印象。森林氏はここから具体的に変化しつつある点を示した。

「ただ、”それは違うぞ”という考えが増えてきた。佐々木朗希投手(当時大船渡高:現ロッテ)が県大会決勝で投げなかった。達孝太投手(当時天理:現日本ハム)が自分の意志で回避した例もあります。

甲子園でも2番手・3番手の先発が増えるなど、明らかに潮目が変わっていて、いい方向に動きつつある実感はあります」

現在の考え方に変化が生まれつつあると議論した

中村氏も「球数制限の制定や金属バットの見直しについても話題になりましたし、あとはリーグ戦の導入によって”失敗しても再チャレンジできる環境づくり”を大人がしていく動きが野球界でも出てきていますよね」

とさまざまな変化の例を挙げた。また、自身が率先して啓蒙活動を行う「スポーツマンシップ」について、自身のミッションを加えながらその大切さを述べた。

「保護者・指導者の方に向けて学校教育の現場など、仕事でビジネスの場でもスポーツマンシップを発揮しないといけないです。

現場と指導者だけにスポーツマンシップが浸透すればいいだけではなく、さまざまなフィールドで活躍しながら、大人たちもその心を育てていくように力を発揮してほしいです。多くの方にスポーツマンシップを理解していただくことがミッションと思っています」

後編へ続く

【関連記事】
森林貴彦氏 教育者として時代を生き抜くために必要なこと「選手に成長を求める以上に、指導者も成長しないといけない」

筒香嘉智が感じるスポーツを通じて得られる成長とは?「次に向けて自分で考え、行動できることは将来に役立つ力になる」

「人間性が高いからこそ超一流になれる」筒香嘉智が感じたメジャーでの”スポーツマンシップ”

関連記事一覧