
筒香嘉智が感じるスポーツを通じて得られる成長とは?「次に向けて自分で考え、行動できることは将来に役立つ力になる」
一般社団法人日本スポーツマンシップ協会は20日、オンラインセミナー「高校野球の未来とスポーツマンシップについて語ろう」を開催した。ゲストとして慶應義塾幼稚舎教諭の森林貴彦氏、スペシャルゲストとしてピッツバーグ・パイレーツの筒香嘉智選手が参加した。(以降、敬称略)
今回、第2部として登壇した筒香は冒頭、「共にスポーツマンシップについて学び合い、今後のスポーツ界の発展につながるような有意義な時間にしたいと思います」と挨拶。
ファシリテーターを務めた中村聡宏・同協会代表理事会長(千葉商科大学サービス創造学部准教授)から、「トップアスリートとしてプレーしながら感じている現状のスポーツ界についての課題感や期待感」について問われると、
「日本においてスポーツに携わる子どもが減っていると聞いています。保護者の方々にとって『子どもたちにスポーツをさせてあげる環境が身近にない』というのが課題ではないかと思います。
私としてはスポーツを通じ、勇気を持ってチャレンジしたり、仲間と協力・競争したり、時には自分と向き合うことで、今後の人生にプラスになると考えています」
と答えた。この日は130人以上の参加者が集まった。この数を見て、
「今日は”スポーツマンシップについて学ぼう”という方が多く参加いただいています。このことについて今後への期待を抱いています」と将来のスポーツ界への期待感を語った。
中村代表理事会長は、直前に筒香が述べた「スポーツを通じて学ぶことはプラスになる」ことを踏まえ、「野球・スポーツを通して学ぶべきことは何か」を尋ねた。
筒香は、「スポーツなので、当然勝利を目指してプレーをする」と前置きしこう述べた。
「大切なことは失敗を恐れずに次へ、次へとチャレンジすることです。結果も受け入れなければならないですが、うまくいくように自分で考え、また次に向けて準備することが重要だと考えています。
ミスしようが落ち込もうが次の試合はすぐにやってきます。いいことも悪いことも受け入れながら次の試合に向けて準備しなければなりません。”次に向けて自分で考える・行動ができる”というのは、私は小さい頃からの習慣が大切と思っています。
将来社会に出て役に立つ力というのは、実は小さい頃からの行動がとても大きいのではないかと感じていますので、(スポーツを通じて得られる経験は将来)仕事でも、生活の中でも大きく活かせることだと考えています」
筒香は昨年、同協会が制定した「日本スポーツマンシップ大賞」の特別賞を受賞。横浜DeNAベイスターズ在籍時から会見や著書を通じ、主に小学生から高校生に向けた練習や考え方について自身の考えを発信し続けている。
今シーズンはパイレーツとの契約を更新し、開幕に向け国内でトレーニングを重ねている。今回多忙な合間を縫って参加し、貴重な発信の場として自身の想いを改めて伝えた。
(文:白石怜平)