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「スポーツ出身者でもっと国を背負えるような人材を輩出したい」現役監督と語る”高校野球の未来とスポーツマンシップ”(前編)

「生徒と共に学ぶ環境を創り上げていく」

森林氏は現在小学校1年生の担任として教壇に立つ傍ら、課外活動として慶應義塾高校の野球部監督も務めている。15年に就任し、18年には高校野球の激戦区・神奈川県で春夏連続の甲子園出場を果たすなど、指導者としても結果を残している。

中村氏は次に、”監督になって変わったこと”について森林氏に質問を投げかけた。

「変わったことはですね、覚悟ができました。本を書いたときも甲子園に1年出ただけで『調子に乗ってる』などと言われるのではないかと思いました。

でも、そんなことより自分が影響を受けたことや感じたことを伝えて、それが皆さんの役に立てればと思うようになりました。批判を気にせず自分が正しいと思ったことをどんどんやっていこうというのが7年間で変わったことです」

実は、両者は中学の同級生という間柄。中村氏も15年に大学教員となり、同時期に立場は違えど学生を指導する立場になった。

「どうやって若い世代に寄り添いながら成長してけるか、一緒に学べる環境を自分たちも手に入れられるかも大事だと思っています」

中村氏も今後のスポーツ界について提言した

中村氏はそう語り、これからのスポーツ界の在り方についてさらに意見を述べた。

「本当に勝利することで手に入るのか。指導者の言うままに選手が動くことで ”自分で考える力” が手に入ればそれでいいかもしれない。でも、勝利を目指すのというのは一つのプロセス。その過程で学生がどんな力を養っていくのかを整理して、その力をつける工夫を一緒に考えていければいいと思います」

森林氏も自身の立場を踏まえて重ねる。

「スポーツを経験したという学校の教室で教えられないことを伝えて、『こういう人材が育ちました』と胸を張って言える環境をつくらなければならない責任感はあります」

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