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森林貴彦氏 教育者として時代を生き抜くために必要なこと「選手に成長を求める以上に、指導者も成長しないといけない」

一般社団法人日本スポーツマンシップ協会は20日、オンラインセミナー「高校野球の未来とスポーツマンシップについて語ろう」を開催した。ゲストとして慶應義塾幼稚舎教諭の森林貴彦氏、スペシャルゲストとしてピッツバーグ・パイレーツの筒香嘉智選手が参加した。(以降、敬称略)

2部制となった本セミナー。トップバッターとして森林監督が登場し、ファシリテーターを務めた中村聡宏・同協会代表理事会長(千葉商科大学サービス創造学部准教授)とのトークセッションを行った。

森林は現在、小学校1年生の担任として教壇に立つ傍ら、課外活動として慶應義塾高校の野球部監督も務めている。15年に就任し、18年には高校野球の激戦区・神奈川県で春夏連続の甲子園出場を果たした。

最初のトークテーマは、教育者としてのスタンスについての話題に。

7年間の指導生活で変えないこと・変えたことについて質問が及ぶと、まず変えない点を森林はこう答えた。

「部員・小学生に求めるのも一緒で”自分で考える習慣をつけてもらいたい”。これは何よりも必要なことだと思うので、『考えない方がいいや』という環境を作ったら我々の負け。いかにその方向に環境を整えるかを私も考えています」

高校生は3年で18歳、小学1年生は7歳。これから何10年と先の未来がある。それが”変えない”根拠になっている。

「人生100年時代としまして、子どもたちがこの先人生を送る上で必要な要素を身につけてほしいと思っている。高校野球であれば『大会で優勝する』ことはもちろん目指すけれども、その先(子どもたちの将来)のことも頭から離さない。そのために必要なのは”自分で考える習慣をつけてもらう”これは変えないですね」

ただ、成長するのは部員・生徒たちだけではない。森林は以下のように続けた。

「同時に、指導者自身も成長しようと考えていて、選手に成長を求める以上にこちらも成長しないと(時代の流れに)ついていけない。私は(1973年生まれの)48歳で、高校生となると30年前です。目の前の高校生が社会で活躍するのはこの先20年、30年とある。

自分が30年前のままでアップデートせずに、30年後活躍する子どもたちに伝えてしまったら、60年間のズレが生じてしまい大変罪深い事になる。こちらが必死に学んで新しいことを身につけて考え方を創らないと太刀打ちできない。勉強”した方がいい”ではなく、しないとダメなんです」

この後さらに盛り上がりを見せ、約1時間セッションは続いた。そして2部には筒香も登壇した。

(詳細編へつづく)

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