ウエノラボ2023開講! 上野由岐子選手が中高生に伝えたピッチングで大切な2箇条とは?

8月11日〜12日の2日間、群馬県高崎市内で「ウエノラボ2023 supported by ミズノ」が開催された。

ソフトボール日本代表の上野由岐子選手が事前に選抜した学生を対象に、自身の投球技術を惜しみなく伝える貴重な時間になった。

(取材協力:ミズノ株式会社、写真 / 文:白石怜平)

上野由岐子選手がテーマの一つに掲げた”意識”

「ウエノラボ」はミズノ社並びに同社のブランドアンバサダーを務める上野由岐子選手が開催し、学生へ直接指導を行う特別企画。

21年12月下旬〜22年2月の間で行われた第1回に続き、今回が第2回の開催となった。

対象者は事前に公募した中から上野選手も選考に参加。応募の際に送られてきたピッチングの動画を一人ひとりその目で確かめた。選ばれた選手たちは中学生8名、高校生2名そして大学生が3名。

午前は中高生、午後は大学生と年代ごとに分けて2日間かけて行なわれた。本編では、初日午前の中高生の部を取材した。

午前では中学生・高校生の部が開催された

朝9時半にスタートし、冒頭に参加者そして上野選手からの挨拶が交わされると、ウォーミングアップのためにキャッチボールへと入る。

上野選手は全員投げる様子を一通り観察すると、マイクを握って1度止めた。

「アップでいいかげんにやってしまうと、実際の投球でもいいかげんなフォームで投げてしまう。何を意識してボールを投げているのかをイメージしながら投げよう。

ピッチャーってボールに気持ちが伝わるポジションなのね。投げ終わった後に適当に腕を振っていたらボールももちろん適当になっちゃうのね。ミットに行った球がどんな高さ・コースか、投げ終わった後まで”意識”して腕を振らないとボールに伝わらない」

アップの序盤で”意識”を持つことを呼びかけた

最初に”喝”を入れたが、講習全体で上野選手が選手たちに強く呼びかけていたのは意識だった。それはここで言ったソフトボールに取り組む姿勢に加え、変化球を投げるといった技術面など、全てに通ずるものであった。

ピッチングでは「脚をしっかりと使う」

アップの後は本格的なピッチング練習へ。上野選手はアップの際には意識の話と合わせ、

「重い荷物を持つ時に手で持つのと脚を使って持つのとどちらが持てると思う?ということはボールを投げる時もそうで、脚の力がどれだけ使えるかが大事なの。なので脚をしっかりと使うように」

と技術面でも必要なことを伝えていた。

ピッチング練習では個別に指導が行われた

前半のピッチング練習でのメインテーマは”脚を使う”こと。

「ボールは手で投げるのではなく脚を使って投げる。脚からのパワーが手から渡って最終的にボールへと伝わっていく。その感覚を大事にしてください」

と話し、途中から一人ずつ順番に声をかけてマンツーマン指導を始めた。

講習のわずか4日前には「日米対抗ソフトボール2023」に出場し、真剣勝負ならではの厳しい表情を見せていた。ただ、ここからは一人ひとりに笑顔を交えながら丁寧に説明を加え、マウンド上とは違う姿を垣間見ることができた。

脚と手の連動について教え込むと学生たちに早速変化が表れた。投げる瞬間に手と腿が当たる音の強さが明らかに増しており、ミットへ力強い真っ直ぐが吸い込まれていく。

上野選手も「そう!その感覚忘れないように」などとプッシュした。

指導を受けた学生たちも貴重な時間に充実した表情を見せた

こまめに給水などの休憩を入れながら、捕手を座らせてそれぞれのペースで投げ込むこと約1時間、上野選手が日陰で休憩を呼びかけると全員は一度、屋根のあるトレーニングエリアへと移った。

自身の経験から培った選手として大切な考え方とは

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