「スポーツ出身者でもっと国を背負えるような人材を輩出したい」現役監督と語る”高校野球の未来とスポーツマンシップ”(前編)
スポーツを通じて日本を背負って立つ人材に
続いては、スポーツ経験が社会でどう通用するかについて。
世間では「文武両道」という言葉が、主に学業と部活動の両立をしている学生に向けて用いられている。ただ、近年では”文武不岐”の人材育成を目指すチームも出てきつつある。
不岐とは ”分けず” を意味する。「学業に励むことがスポーツに役立ち、スポーツに励むことが学業にも役立つ」相乗効果を呼ぶ考え方である。森林氏はここで自身の考えを述べた。
「”文武〜”というように、体育会とそれ以外と分けられたりしますよね。”体育会系は”などとネガティブに言われがちですけれども、スポーツをやっていた方が(社会性における)インテリジェンスとしては高いと思いますし、それ証明していければスポーツの地位も高まっていくと思うんです」
中村氏も、「スポーツを極めていくにはインテリジェンスが高い人たちの方が活躍できると思いますし、大谷翔平選手などがそうで、今後もさまざまな機会で証明してほしいですよね」
と、賛同し今後に期待を寄せた。さらに森林氏はこう続けた。
「スポーツ出身で、総理大臣などに進む方が出てくるといいですね。競技を終えて指導者やタレントになるに加えて、さらに国を背負えるような人材を輩出することを証明したいし、そういった方向に進めていきたいです」
と、選手育成に携わっている身だからこそできる強い想いを語った。