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「第16回 小笠原道大杯」開幕!新球場で繰り広げられる熱戦と描かれる市川市の未来「のびのびと、そして一つ一つのプレーを楽しんで」

10月30日、千葉県・市川市の妙典少年野球場で「第16回 小笠原道大杯争奪 市川市少年野球大会」(以下、小笠原杯)の開会式が開催された。

今年3月に完成した新球場を舞台に、大会へ参加する全チームが集結。秋晴れの下で盛大に開会宣言が行われ、23日(祝)までの25日間、市内各地で熱戦が繰り広げられる。

(取材協力:市川市少年野球連盟、写真 / 文:白石怜平)

16回目を迎えた「小笠原道大杯」

小笠原杯は市内の少年野球チームの頂点を競う大会で、小学5年生以下の選手を対象としている。2007年に第1回が開催され、今年で15周年の節目を迎えた。

来季より巨人3軍打撃コーチを務める小笠原道大氏は、千葉県出身で同市に居を構える縁と野球を通じたスポーツの発展という願いから、社会貢献活動の一環で自身の名を冠した大会を開始した。

昨年12月の小笠原道大杯の閉会式にて

小笠原氏は少年野球に加えて、11年に身体障害者野球チーム「千葉ドリームスター」も立ち上げている。いずれも10年以上活動が続いており、自身が特に大切にしている”継続”をグラウンド外でも行ってきた。

また、「市川市少年野球連盟」もこの間、力を込めてこの大会を盛り上げてきた。五嶌(ごとう)誠司理事長は大会、そして選手たちへの想いをこう語る。

「小笠原杯は5年生までの大会で、ここを頂点にし翌年以降につなげることで全国への足掛かりとしてほしいのです」

小学6年、そして卒業後大きく羽ばたく大会になっている

五嶌理事長はじめ連盟は、20年のコロナ禍以降も感染拡大を抑え、かつ選手たちのパフォーマンスも上げるために”新しい野球のスタイル”を掲げ改革を実施。

”Withコロナ”で生活と野球の両立を図り、今も試行錯誤を続けている。

>市川市少年野球連盟が掲げた「新しいスタイルの野球」とは?

3年ぶりに出場全チームが集い、新球場で開会式

10月30日、市川市の妙典少年野球場で第16回の開会式が行われた。

出場する全36チーム、そして来賓も田中甲・市川市長をはじめ30名以上が大会を盛り上げるために参加した。

同球場は市川市の「地域コミュニティゾーン整備事業」の一環として建設され、3月に完成したばかりの新球場。両翼70m・中堅85mの少年野球専用仕様となっている。

外野には人工芝が敷かれ、1・3塁側ダグアウトにはベンチそしてブルペンも一新。センターには改修中の国府台(こうのだい)球場から電光掲示板を移設するなど選手がプレーしやすい環境が整備されている。

周辺には、すでに運営している公私連携型保育所に加えて現在は公園・バーベキュー施設を建設中。子どもたちに向けた市川市の未来を創り上げる場となっていく。

>妙典少年野球場 新グラウンドが開場。セレモニーで披露された市川市と野球との”絆”

新球場に全36チームが集結した

昨年の開会式・閉会式はいずれも感染拡大を予防するため当日試合があるチームに限定していた。そのため、セレモニーに全チームが参加するのは3年ぶりである。

太陽に照らされた人工芝に初めて入る選手は、ここでプレーできることを想像したのか、満面の笑みと大きな声で期待を表していた。

9時に開会式が始まる。この日は地元の小学生から構成されたチアリーディングチームも応援に駆けつけた。

小笠原氏の現役時代や12球団のユニフォームを身にまとい、この日のために練習したダンスを披露。大きな拍手とともに、会場の熱気も上がっていった。

市川市の小学生で構成されたチアリーダーも球場を盛り上げた

36チームが横一列に並び入場行進がされた後、昨年の優勝チーム「市川南スパローズ」・準優勝「富美浜イーグルス」・3位「福栄かもめファイターズ」のそれぞれが優勝旗およびカップを返還した。

昨年覇者の市川南スパローズから優勝旗が返還された

小笠原道大氏からのメッセージ

そして早速、小笠原氏から事前に寄せられたメッセージを披露。現在はコーチを務める巨人の秋季練習中で、連日熱心に若手選手を指導している。

前述した身体障害者野球チーム「千葉ドリームスター」についても触れながら、本大会に参加する選手たちに向けて想いを伝えた。

「小笠原杯に出場の選手のみなさんおはようございます。

今年も大会が開催される運びとなり、関係各位に心から感謝申し上げます。

まだコロナの影響が残る中ではありますが、選手のみなさんがのびのびと一つ一つのプレーを楽しんで取り組んでくれると嬉しいです。

私が立ち上げた身体障害者野球チーム『千葉ドリームスター』も10年続けてきて、関東甲信越大会で連覇・2年続けて全国大会に出場することになりました。

(会場全体が拍手に包まれる)

目標を持って自分が好きなことを続けていくことの大切さを、ドリームスターの選手たちに改めて学ばせてもらった気がします。

みなさんも怪我には気をつけて、優勝目指して頑張ってください。いい大会となりますよう願っております」

5日・6日には全国大会に出場した千葉ドリームスター

「大会を通じ、野球そして自分に自信をつけてほしい」

ここからは、30人を超える来賓を代表して2名が挨拶。まずは、市川市少年野球連盟 中嶋貞之会長が登壇した。最初に来場した全員に感謝の気持ちを述べ、ここまで取り組んだ新しい野球への取り組みにも触れた。

「今年最後の大会となるみなさんにとっては、来年6年生に向けての大会です。この3年間は各チームがアイデアを出し合いながら取り組み、練習時間が短くても様々な取り組みができたのではないでしょうか。

でもまだまだ上手くなれると思っています。今後も体調には注意していただきつつ、選手が100%、いや120%以上の力を出せるよう、保護者や指導者の方々と共にして過ごして行けたらありがたい、そう思っています。選手のみなさんもいいプレーをしてくださることを願っています」

挨拶をする中嶋会長

そして、2人目は市川市の田中甲市長が壇上に。市の未来へ想いを寄せながら子どもたちの健闘を祈った。

「第16回 小笠原道大杯が開催されますことを心よりお祝い申し上げます。選手のみなさん、いよいよ大会が始まりますね。この大会を冠する小笠原さんは、『勝つことも大事だけど、みなさんが笑顔で楽しく、目標に向かって成長してもらいたい』と常々おっしゃっています。

この大会を通じて友情を深め、素晴らしいプレーでさらに野球での自信をつけていただきたい。そして自分自身にも自信をつけていただきたいと思っています。ご来場のみなさん。子どもたちの未来は日本の未来です。我々も大切に子どもたちの成長を見守りたいと思います」

市川市の田中甲市長

「一投一打に感謝の思いを込め、大好きな野球を全力で」

最後を締めるのは選手宣誓。今回は「塩焼ちどりウイングス」主将の稲富翔己選手が務めた。各チームの旗を持った選手をバックに立ち、こう宣言した。

「私たち選手一同は、我慢の日々が続く中、共に励まし合ってきた仲間に、応援してくれる人たちに、そしてこの大会を開催してくれる関係者のみなさまに、最高のプレーで最高の恩返しが出来るように、一投一打に感謝の思いを込めて大好きな野球を全力でプレーすることを誓います」

今回選手宣誓を行った「塩焼ちどりウイングス」の稲富翔己選手

式が終了後、早速第一試合が行われた。始球式には田中市長がマウンドに上がり、中嶋会長が捕手を務め”バッテリー”が実現。マウンドからミットにボールを投げ込み、25日間に亘る戦いが幕を開けた。

五嶌理事長は式の終了後、「新しい野球から発展させ、これからは”笑顔と歓声”が溢れる大会にして行きたい」と抱いている想いを語った。

連盟の方々が定める明確なビジョンと、球場を包んだこの熱い想いが市川市の野球を全国へと発展させていく。

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