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「プロサッカー選手の輩出は最終的な目的ではない」いわきFCが独自に構築した育成システムの概念とは

2021年、発足から6年でJFLを制覇しJ3へと昇格したプロサッカークラブ「いわきFC」。これまで筋力トレーニングによる身体づくりなどがフォーカスされ、注目を集めてきた。

いわきFCが注目されるべきは”フィジカル面”だけではない。16年シーズンの立ち上げから築いてきた概念や独自の育成システムがある。

今回、いわきFCのアカデミーアドバイザーを務める小俣よしのぶ氏に協力いただき、その独自のシステムに迫った。

(取材協力 / 写真提供:いわきスポーツクラブ)

震災をきっかけに安田氏が感じた「救う側に」

運営母体である「株式会社いわきスポーツクラブ」は2015年11月に設立。12年から既に存在している福島県社会人3部リーグ「いわきFC」の運営を引き継ぎ、現在に至る。

ビジョンは「スポーツを通じて社会価値を創造する」。「いわき市を東北一の都市する」をミッションに掲げ、体験・教育の場を創出する”人づくり”とスタジアムを核とした都市開発・集客イベントを行う”街づくり”の2つを軸に活動している。

いわきFCの掲げているビジョンやミッション ©︎IWAKI FC

その原点は11年に遡る。3.11の東日本大震災、未曾有の災害が東北そしていわき市を襲った。

有名スポーツブランド「アンダーアーマー」の国内総代理店である、株式会社ドーム(以下、ドーム社)代表取締役の安田秀一氏はその8日後に被災地を訪れ、惨状を目の当たりにした。

「我々は救う側にいなければいけない」

そこから、ドーム社として復興にどう寄与するかを模索。雇用を創出し、経済を回すことが復興の本質であると考え、13年、いわき市に物流倉庫を建てた。

安田氏と同い年で大学時代から交流のあった大倉智・いわきスポーツクラブ 代表取締役と議論を重ね、0からスポーツクラブを創ろうという意見が一致し、新生いわきFCが誕生した。

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