2年ぶり開催「第27回 関東甲信越身体障害者野球大会」パラリンピックの裏側で行われた”もうひとつのパラスポーツ”

元NPB審判、山崎夏生氏らも協力

関東甲信越大会の舞台は東京・世田谷公園。

当日は参加者全員、2週間の検温表と体調チェックシートを提出。ベンチではマスク着用必須の上、大会に臨んだ。

また、運営には同じ東京を拠点に活動する東京ブルーサンダースのメンバーも一部参加。大会出場には惜しくも人数が足らなかったが、「大会運営のためにサポートします!」と監督はじめ選手・スタッフが駆けつけた。

しかし、当日朝はあいにくの雨。9時半開始予定だったが、雨足が収まらずグラウンドにはビニールシートが乗った状態が続く。

当日の朝は雨。待機して好転を待った

それでも、公園管理事務所の方々が「10時ごろには止むので待ちましょう」と両チームに伝え、10時前にはその通り雨がほぼ止んだ状態に。

マウンドとバッターボックスの砂を入れ替えて入念な準備を施し、開催に向け全力でサポートした。

また、豪華な審判団も参戦。元NPB審判の山崎夏生氏が球審を担当した。

山崎氏は1984年7月〜2010年の10月の約27年シーズン、パ・リーグの審判として1451試合に出場。

「10.19」と今でも語り継がれる88年10月19日のロッテ-近鉄(川崎球場)では左翼外審、ラルフ・ブライアント選手(当時近鉄)が2試合にかけて4打席連続HRを放った翌89年の西武-近鉄のダブルヘッダー(西武球場)で外審と塁審を務めるなど、昭和から平成のパ・リーグを彩ってきた名審判である。

現在は執筆や講演活動をこなしながら、”審判応援団長”として、学生野球全般や社会人野球、女子野球などとジャンル問わず試合に駆けつけ、試合を裁いている。

この日は自身お気に入りの色でトレードマークのレモン色のポロシャツで登場。出身大学である北海道大学の後輩で、主に神奈川県のアマチュア野球で審判を務めている中山弘之氏とともに駆けつけた。

5月から多忙の合間を縫い、身体障がい者野球でもジャッジしてきたことから「今日も盛り上げますよ!」とレモン色に似合う爽やかな笑顔で両チームに挨拶した。

元NPB審判の山崎夏生氏(写真右)が参戦。大学の後輩でもある中山弘之氏(同左)と共に試合を裁いた

なお、ルールは身体障がい者野球版で、バント・盗塁・振り逃げは禁止。加えて、走塁が困難な下肢障害の選手には、打者が打ったら代わりに打者走者として走る「打者代走制度」を採用した。

時間は90分制、3回で10点差が着いた時点でコールドゲームとし、攻撃はEDH(特別指名打者)を用いた10人制で行った。

身体障がい者野球独自のルールである打者代走制度

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