身体障がい者野球「千葉ドリームスター」土屋大輔 逆境を乗り越える反骨心

「とにかく悔しかったんです」

そう語った男は努力を積み重ねて今もグラウンドに立ち続けている。身体障がい者野球チーム「千葉ドリームスター」でプレーする土屋大輔は強い反骨心で不可能を可能にしてきた。

高校時代に交通事故で右腕の神経を損傷。以降、日常生活や野球は左手で行っている。

放たれるボールの勢いと正確なスローイングがハンデを感じさせない。左手でボールを捕球したらグラブを上へ舞い上げる。その間ボールに持ち替えカットマンに投げ込む。33歳で野球を始めたとは思えない軽快なプレーが努力の証である。

交通事故で右腕に障がい

現在42歳の土屋は高校時代、グランドホッケー部に所属しインターハイや国体にも出場した。高校3年時、部活動を引退して間もないころだった。バイクに乗っていた際に交通事故に遭った。目が覚めた時には病院のベッドの上にいた。

「全く記憶にないんです。気がついたら病院のベッドの上にいました。『この辺りで事故に遭ったんだよ』と言われてもいまだに何も思い出せないです」

後に聞かされたのが、「腕神経叢(わんしんけいそう)損傷」というものだった。交通事故の際に首を強く打った衝撃で脊髄から右上腕神経の神経根が引き抜ける「引き抜き損傷」で、以降は左手のみの生活を強いられることになった。

17歳の青年に突如突き付けられた現実。障がいを受け入れることに悩むのは想像に難くなかった。

「(障がいを受け入れるのに)時間かかりましたね、私の場合は。使わないと腕って細くなるのでそう見られること自体が嫌だったりとか。今は全然そんなこと思わないですけども最初は抵抗ありましたし、コンプレックスでした」

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