2年ぶり開催「第27回 関東甲信越身体障害者野球大会」パラリンピックの裏側で行われた”もうひとつのパラスポーツ”

「身体障がい者野球の灯を消さないように」

7ブロックのうち、関東甲信越エリアでは「信濃レッドスターズ」、「群馬アトム」、「栃木エンジェルス」、「埼玉ウィーズ」、「東京ジャイアンツ」、「東京ブルーサンダース」、「千葉ドリームスター」の7チームがエントリーしている。

関東甲信越大会はトーナメント方式で争われ、優勝チームは同地区の代表として全日本選手権及び翌年の選抜大会の出場権を獲得する。(※)

(※)選抜大会は、各ブロックの上位2チームが参加する。

ただ、昨年から各チームで活動状況が異なるため、7月に加盟チームで理事会を開いた。それぞれの状況を共有し合うとともに大会の開催及び参加について協議した。

「5月の選抜同様、コロナ禍でも開催できるという実績をつくりたい」

「障害者野球の灯を消さないよう大会は開催したい」

その想いが全チームで一致。今大会は2チームであっても開催する運びとなった。

5月には神戸で選抜大会が開催。1つ実績を作った

最終的な参加チームは、千葉ドリームスターと東京ジャイアンツの2チーム。その勝者が今年の関東甲信越代表となることで開催が正式決定した。

両チームは、これまで感染者をチーム内で1人も出さず活動を続けており、”大会を開催するなら出場したい”と手を挙げた。

千葉ドリームスターは2011年に発足した千葉県唯一の身体障がい者野球チーム。

千葉県出身で、現在は北海道日本ハムファイターズのヘッド兼打撃コーチを務める小笠原道大氏が「夢を持って野球を楽しもう」という想いを込めて創設したチームである。

14年に連盟加盟してから徐々に力をつけ、17年から19年まで3年連続で関東甲信越大会準優勝・19年には選抜大会で全国ベスト4に進出した。

東京ジャイアンツは2001年創設。体幹機能や下肢機能障がいといった重度の障がいや、身体と知的障がいとあわせた知肢重複の障がいのある選手が多く、ほとんどのメンバーが未経験から野球を始めている。

その名の通りプロ野球・読売ジャイアンツがモチーフ。18年のシーズンオフには坂本勇人選手と田中俊太選手(現:DeNA)が練習に訪れ、現在も交流が続いている。

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