身体障害者野球日本代表 初陣は投打が噛み合い快勝 松山から踏み出した世界大会連覇への確かな一歩

山内監督が感じた合宿からの手応え「寒い中でも動けていた」

待望の先取点をとった日本代表は、早嶋・藤川の両投手が新田高校打線を無失点に抑え完封リレー。特に藤川は1本の安打も許さない完璧な投球だった。

4イニングを終えたところで、この日規定となっていた1時間となりゲームセット。5−0で日本代表が初戦を飾った。

初戦を勝利で飾り、スタンドのファンへ挨拶した

この日の松山の平均気温は5℃台という中、両チームとも寒さを吹き飛ばすかのような大きな声と全力プレーで観客を魅了した。

代表チームは前々日からこの日に備えて、松山で合宿を行い試合へと臨んだ。山内監督はまず最初に、

「新田高校女子野球部の皆さんには、普段使う硬球から軟球に持ち変え、かつ身体障害者野球のルールに合わせてもらうハンデがある中で良い試合をさせていただきました。本当にありがとうございました」

と感謝を述べ、この3日間を振り返った。

「選手たちは事前にしっかり体の準備をして来ており、寒い中でしたが合宿初日から動けていました。また、松元選手がキャプテンとして期待する働きをしてくれたのもあり、よい雰囲気で合宿ができました。

試合では多くの観客の中で障害者野球を観ていただき大変良かったです。今回のエキシビジョンマッチでは回数・時間の制限もあるので、試合前にはどんどん交代して全員出場予定にしていると伝えていました。もう少し選手を見たいところもありましたが、気がついたらあっという間の試合でしたね」

選手交代を告げる山内監督

日本代表選手は、関東から九州までの各チームに所属している。次回代表選手が集まる予定である7月までの間には、まず5月に全国大会が神戸で行われる。

そこではライバルとして真剣勝負を繰り広げながら、その後は再び日の丸の誇りを持った仲間として世界を舞台に戦うことになる。山内監督はこの間について、

「選手とコミュニケーションを取って、より日本代表チームが結束するように努めたいです」

と語った。5月の大会を経て、さらに進化した姿で迎えることをファンは楽しみに待っている。

(おわり)

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