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「社会課題を解決するためにスポーツや施設がある」アメリカの事例から見るスポーツ産業の近未来〜横浜スポーツビジネススクール最終回①〜

ベイスターズはその重要性を、球団を保有し始めた当時から認識をしていた。

横浜市が所有する同スタジアムは、78年の開場から前身の大洋ホエールズが球場を借りる形で使用を続けてきた。そのため運営会社に球団が”賃料”を支払うことで長らく試合開催を行ってきた。

本スクールの第2回でも触れられたが、現在ではプロ野球のみならずスポーツ観戦の価値における定義が変化してきている。従来は試合を見て帰宅という流れで、満足度はチームの勝敗に左右されるものだった。

>ベイスターズが考えた野球観戦の再定義(第2回より)

しかし、現代ではスマートフォンや大型テレビの更なる普及によって楽しみ方がより多様となっている。

「試合を観るのにTVで迫力ある映像や音で楽しめるし、並ばなくても好きなものを食べられます。また、”スマホネイティブ”の世代ではずっと試合の途中でもスマホやそれ以外で楽しみを得たりするので、試合だけをずっと観るというケースも減っている。そうなると売り物が変わってきます」

球場と球団の一体運営が必要と解説する

移り変わるニーズに応えるため、各球団さまざまな取り組みを行っている。スタジアムグルメの充実や、家族で来場する方達に向けて球場周辺にアトラクションを設置するなど、野球場ではなく”ボールパーク”として毎年改修を加えている。

「試合ももちろん大切な”商品”なのですが、それ以外の部分。駅を降りて

スタジアムに入場して、グッズや飲食を購入して試合を観る。家を出てから帰宅までの体験全てが売り物になっているんです。お客様が求める体験を球団でプロデュースするためにも、施設はすごく重要になってきてるのです」

これをスムーズに行うために必要なのが鈴木さんが先に説いた「球団と球場の一体運営」であった。

球団の親会社が球場を所有する球団や、使用料を球場へ支払うが管理や運営などを委託してもらえる「指定管理者制度」を活用する球団もあるなど、一体運営への流れは浸透しつつある。

今年、北海道日本ハムファイターズの新球場「ES CON FIELD HOKKAIDO」がついに完成した。球団が”ボールパーク化”のために斬新な取り組みを行うなど、今後もさらに球団と球場の一体運営が加速していくことが期待されている。

アトランタの事例から検証する球場からの街づくり

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