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横浜DeNAベイスターズ 従来の常識を変えた新たな観戦定義と”横浜反撃”を後押ししたユニフォーム制作秘話 〜横浜スポーツビジネススクール 第2回編①〜

ベイスターズが考えた新たな野球観戦の定義

この循環をつくり出すため、11年秋の参入時から野球観戦の定義について球団は着目し再検討してきた。

従来は、球場は”野球そのものを楽しむ場所”と考えられてきた。そのため、球場は野球好きのための場で、満足度は応援するチームの勝敗に依存する傾向が強かった。

ベイスターズはこれまでの価値観に縛られずに、新しい価値観を編み出し訴求していった。新たに定義づけたのは、

”野球を一度も体験したことのない人も含め、家族や友人・同僚と気軽に集まり楽しめる場”

”負けても楽しい。勝ったらなおよし”

”居酒屋感覚でも使える”

”家族サービスの場にもなる。接待にも使える”

この4点であった。原さんはこの定義を実現するにおいて、最も重要視していることを補足した。

「我々はチケットの売り上げを最大にすることだけではなく”実際に球場に来場していただく”ことを重要視しています。

35,000人の方にスタジアムでグッズなどを購入いただく、スタジアムにある広告を見る、イベントの冠スポンサーのサンプリングをご利用いただく。球場に来場いただくことの価値を高めていきたいと考えています」

講義では球団のビジネスのミッションや観戦定義などが展開された

ベイスターズはDeNAが参入した12年以降、コロナ禍に入る前年の19年まで観客動員数・売上を順調に伸ばしてきた。

12年の117万人から始まり、15年には日本一に輝いた98年の32回を超える43回の満員・球場稼働率が90%を超えると、18年には球団初の200万人を突破。19年には球団史上最多動員である228万人を達成した。

20年、21年は無観客・入場制限下の開催であったため、全球団含め動員数を落としているが、入場制限が解禁された昨シーズンは178万人ながら、クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第2戦では33,037人と発表され、ハマスタ史上最多動員を記録した。

今シーズンからはいよいよ声出し応援が解禁。9回表に山﨑康晃投手が登場する際に沸き起こる「ヤスアキJUMP」もついに帰ってくる。今シーズンは最多動員記録の更新の可能性もある。

今年は”ヤスアキコール”を球場で参加することができる(写真は球団提供) 

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