
横浜DeNAベイスターズ 球団社長×現役コーチ×OBによる特別パネルディスカッション「自分らしさを武器にしたキャリア開発 〜横浜スポーツビジネススクール最終回②〜
22年12月3日から23年1月28日の間、横浜市内で開催された「第3期 横浜スポーツビジネススクール」。
全5回をお送りしているシリーズはついに最終回。ラストを締めくくるプログラムはパネルディスカッション。
木村洋太 代表取締役社長と小杉陽太ファーム投手コーチ、球団OBの高森勇旗さんによる3名で「『自分らしさ』を武器にしたキャリア開発」をテーマにトークを繰り広げた。
(取材協力:横浜DeNAベイスターズ、撮影 / 文:白石怜平)
木村社長が考える”強い組織”の本質とは?
ベイスターズの代表取締役社長を務める木村洋太さん。
木村社長は、東京大学大学院 工学系研究科航空宇宙工学専攻修士課程を修了後に外資系コンサルティング会社に入社。DeNAとして初めてのシーズンを迎える12年3月に株式会社横浜DeNAベイスターズへと転職した。
少年時代から野球が好きでプロ野球をよく観ていたという木村社長。04年に起こった球界再編問題を報道で見る中で「あ、野球界もビジネスなんだよな」と気付かされたという。
ビジネスであれば自分にもできることがあるのではないか。こういった出来事から、野球業界で仕事がしたいと思い現在に至っている。

小杉コーチは09年から17年まで投手として9年間ベイスターズでプレー。同年引退後は広告代理店事業を主とした会社を起業し、後にスポーツビジネスにも参画。
19年からは家業のブライダル会社にもアサインするなど幅広く活動していた。昨年ベイスターズのファーム投手コーチに就任し、後進の指導を行っている。

高森さんも07年からベイスターズで捕手・内野手としてプレーした。12年に引退後は、データアナリスト、ライターなどを経て、現在は企業のエグゼクティブコーチングを行う会社の代表取締役として、一部上場企業を含む50社以上の企業変革に関わっている。

まず、木村社長への質問。自身が現職の前にいた”コンサルティング業界とスポーツ業界との違いについて”が挙げられた。
これは、ベイスターズの中長期の経営計画と絡めた質問でもあった。第2回の講義でも紹介があった経営計画で、ベイスターズは
「20年後には名実ともに世界一のスポーツチーム」
を掲げている。経営そしてグラウンド双方で”世界一”を目指していく方針を示した。
最初の質問と合わせてこの経営計画についても触れながら、世界一を目指す中で、どんなことが求められているのか。テーマにもある、自身の強みやキャリアをどう活かしながら実現していくのかも含めて、木村社長へ質問が寄せられた。
「スポーツ業界だからとか、世界で一番になるから〇〇の経験・スキルを求めているというように、何か特別なものを求めてられているわけではないです」と語り、続けた。
「どんなビジネスや目標であっても本質は一緒で、”いかに面白がりながら本気で取り組めるか”だと思っています」

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