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「一緒のグラウンドにいることが不思議でした」三重ホンダヒート 近藤雅喜 決意から約半年で実現した憧れの先輩との”共演”と帰ってきたセブンズの舞台

原点と言える場所で憧れのトップレフリーたちとの”共演”

そしてその2ヶ月後、一つ思い出に残る試合を経験した。それは菅平で行われた大学ラグビー部の合宿でのことだった。

「明治と帝京の練習試合でアシスタントレフリーを担当しました。この試合のレフリーは現在早稲田大学在学中で、昨シーズンにリーグワンでベストホイッスル賞の古瀬健樹。そしてもう一人のアシスタントには滑川さんが就いたんです」

自身がレフリーへの道を志すきっかけとなり、先駆者としてレールを敷いてくれた本人と同じ試合で笛を吹くことになった。しかもそれが母校の試合という、もはや偶然では片付けられないシチュエーションになっていた。

「レフリーを始めてそのわずか数ヶ月で一緒のグラウンドにいるというのが不思議でしたし、そうは経験できないことなので本当にありがたかったです」

母校の試合でも笛を吹いた(写真:本人提供)

そこからも順調に経験を重ね、今年の7月には菅平で行われた全国高校セブンズ大会でもレフリーとして参加した。

かつて桜のジャージをまとい、世界を戦ったセブンズの舞台にレフリーとして帰ってきた。選手としてさらに成長し、キャリアを形成してくれたフィールドでもあるセブンズは特に「自分でも思い入れが強い大会です」と語る。

近藤はこの大会で3日間で12試合という、選手と同様にレフリー陣もハードな日程をこなした。その中でもボウルトーナメント(※)決勝でもジャッジを担当した。この経験も自身のキャリアに大きなプラスとなるものだった。

デビュー以降、多くの経験を積んでいる(写真:本人提供)

(※)本大会では48チームを16のプールに分けた組み合わせで、各プール3位の中で試合を行い、優勝を争うトーナメントのこと

「一番上のカップの決勝が、桑井(亜乃:リオ五輪女子7人生日本代表)さん、カップトーナメントの決勝が平川(哲也:リーグワン パネルレフリー)さん、ボウル担当決勝が自分というので、錚々たるメンバーの中に入れたのも大きな経験になりました」

ストイックに鍛錬する姿勢や公式大会での実績が評価され、8月には「日本協会レフリーアカデミー」に選出された。

同アカデミーはトップレフリーの育成を目指し、世界に通用するレフリーの育成をアカデミーを通じて行う事業のことで、今後国際大会への進出を目指す近藤にとっては大きな前進になった。

秋からはリーグワンのプレシーズンマッチ等多くの試合を担当し、アカデミーを通して成長を加速させた。

(つづく)

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