
平成の怪物が17年ぶりにハマスタで躍動!98年V戦士そして歴代最多本塁打の4番も本領発揮した「YOKOHAMA STADIUM 45th DREAM MATCH」
横浜スタジアム45周年を記念したスペシャルイベント「YOKOHAMA STADIUM 45th DREAM MATCH」が前月12月3日に同球場で開催された。
プロ野球そして神奈川県の高校野球史を築いてきた選手たちが一堂に集結したイベントには、錚々たる顔ぶれが並んだ。
ホームランダービー、セレモニアルピッチなどを行った後、いよいよ夢の試合がプレーボールとなった。
(写真 / 文:白石怜平)
世代を超えたスター選手たちが集結
今回の試合は、ベイスターズ歴代の選手が集結した「BAY DREAM STARS」と横浜高や東海大相模高といった神奈川県内の高校野球出身のレジェンドたちで構成された「Y45 LEGEND HEROES」によるドリームマッチ。
「BAY DREAM STARS」では、98年の日本一戦士から、村田修一さん・吉村裕基さん、そして現役の山崎康晃選手・東克樹選手ら世代を超えたメンバーが名を連ねた。

「BAY DREAM STARS」で旗手を務めた三浦大輔監督
「Y45 LEGEND HEROES」では、松坂大輔さんを筆頭に多村仁志さん、荒波翔さんといった横浜高校OBのに加え、森野将彦さん・長田秀一郎さん・山口鉄也さんなど、全国屈指の高校野球激戦区である神奈川県の高校出身の名選手がラインナップに加わった。
入場の際はワールド・ベースボール・クラシック(WBC)での決勝戦を彷彿とさせる入場で早くもスタンドが沸いた。
旗手を務めたのは2人の”大輔で18番”である三浦大輔・DeNA監督と松坂大輔さん。それぞれ後ろに続いて名だたる選手たちがグラウンドへと歩を進めた。

その後、柳沢慎吾さんによる”日本一長い”セレモニアルピッチを経てドリームマッチがプレーボール。夢の競演に早くもスタンドのボルテージが上がっていった。
98年V戦士の躍動とハマの4番の一発
1回表、先発マウンドには三浦大輔投手が上がった。この日は選手としてプレーするため代名詞の背番号「18」を身にまとった三浦投手。

相手の先頭打者は松坂大輔選手。早速”大輔対決”が実現した。松坂選手にはカーブで左飛に打ちとり、現役時代を彷彿とさせる変幻自在の投球術を見せた。
2番・上地雄輔さんとの対戦の際にはこの日最速の130km/hをマーク。49歳(当時)という年齢を感じさせない球を投げ込んだ。さらに注目は続き、次打者はルーキー度会隆輝選手。
ドラフト1位ルーキーと監督の真剣勝負というまたとない機会に。三浦投手は慎重にコーナーを攻めたが、度会選手が見極め四球となった。
対戦を振り返ると「びびってしまいましたね。打たれそうな雰囲気を感じましたので」と若さと力強さを持った雰囲気はマウンドでも感じていた。

その後1点を失うも1イニングを投げきり降板。ベンチ前でのインタビューには「バテました」と苦笑いするも、その堂々たる投球にファンは大きな拍手を送った。
裏のBAY DREAM STARSの攻撃。「1番、ショート、石井琢朗」かつて毎試合聴いていたコールが久々にハマスタに響き渡った。
ひときわ大きな拍手で打席に入ると、ライトスタンドからは応援歌が奏でられた。SNSでも「まさかハマスタで石井琢朗の応援歌が聴けるとは…」と感激の投稿も見られるなど、当時を知るベイスターズファンにとって時が戻った瞬間になった。
そして打席では鮮やかな流し打ちで左前打。塁上で喜びを表現した。

次の古木克明選手の打席では「走れ!走れ!琢朗」コール。これに応えて果敢に次の塁を狙うも残念ながらアウト。三浦”監督”からリクエストが要求されるも判定は覆らず。
そして3番の鈴木尚典選手。マシンガン打線のリーディングヒッターは教科書通りのセンター返しで打撃技術の健在を見せた。

続くは4番の村田選手。先発の成瀬善久投手の投じた4球目を振り抜くと打球は右方向へ。打球はぐんぐん伸びていきライトスタンドへと飛び込んだ。
現役時代、”右に引っ張る”と語り、幾度となく描いてきたアーチをここでも見せた。プロ通算360本塁打、そしてここハマスタで歴代最多の147本塁打を放ってきた4番の一発にスタンド全体は驚きと大歓声に包まれた。

直後のインタビューでは、ホームランダービーで松坂選手と対戦したことに触れ、「ホームラン競争は全然ダメでしたけども、(試合で打ち)実戦向きというのを再確認しました」と笑顔で語った。
なお、98年V戦士はまだまだ活躍を見せる。5番・一塁でスタメン出場した佐伯貴弘選手は4回にこちらも技ありの左前打でチャンスメイク。プロ通算1597安打を放った打撃をファンに披露した。

四半世紀の時を経て投手・村田と打者・松坂の対決に
2回表、野村弘樹投手が登板するも1死2・3塁となったところで三浦監督は投手交代を告げた。ここでマウンドに上がったのは村田修一選手。
東福岡高校時代は投手として甲子園に出場したこともあり、白羽の矢が立った。そして打順は1番に戻り松坂選手と対戦することに。
98年夏の甲子園3回戦では、両者は直接対決をしており25年の時を経て横浜スタジアムで相まみえた。

村田投手の投げた99km/hの球を打ち返すと打球は左翼線へ。2塁打となり、走者2人が生還しY45 LEGEND HEROESが再逆転した。その後度会選手にもタイムリーを浴び、3点を失った。
自らの本塁打で逆転したが、皮肉にも自らそのリードを手放してしまう結果に。しかも、その相手が”因縁”の松坂選手だった。
「大輔には甲子園でも打たれました。投手をやめて良かったと再確認しました」
と降板後に語った。甲子園で松坂投手との投げ合いで敗れたことがきっかけで投手を断念した村田選手。日大進学後に打者へと転向し、ホームランアーチストが誕生したのだ。
松坂投手・度会選手のサプライズマッチも
Y45 LEGEND HEROESは2回以降、山口鉄・長田の両投手がそれぞれ1イニング、4回は内竜也・加藤幹典の2投手が無失点リレーでつないだ。
迎えた最終回。BAY DREAM STARSは高崎健太郎投手が1点を失うと斎藤隆投手にスイッチ。松坂選手を三振に斬ってとるとスタジアムからはおなじみの「Zombie Nation」のイントロが流れた。
”ヤスアキジャンプ”を背に、山﨑康晃投手がリリーフカーに乗り登場した。現役選手でこの試合唯一登板した山﨑投手は斎藤投手、内野陣とグータッチを交わす。
するとオールスターでも話題を呼んだナックルボールを駆使。失策が絡み走者が還ってしまうも被安打0でマウンドを降りた。

そして裏の攻撃では、松坂選手がマウンドに上がった。ビジョンに特別ムービーが放映され、マウンドに向かう背番号「18」はスタンド中の注目を浴びた。
対戦打者はなんと度会選手。サプライズでベイスターズのユニフォームを着用し、一塁側のネクストバッターズサークルから登場した。
レジェンドvsゴールデンルーキーの対戦にスタジアムのボルテージは最高潮に達した。
度会選手は3球目、118km/hの球をフルスイング、打球は左翼のグラブに収まり横浜高の大先輩に軍配が上がった。
最後は石川達也投手が登板し、鈴木尚選手を空振り三振に斬りゲームセットとなった。

ヒーローは決勝打の松坂選手に
ヒーローインタビューには決勝となる逆転打を放った松坂選手。打席のことを訊かれ、「この一打が大きかったと思います」と充実した表情を見せた。
ハマスタのマウンドは西武時代の06年以来17年ぶり。久々の登板については、「これだけ多くの方の前で立つマウンドは最高に気持ちがいいですね」と語った。

度会選手との対戦については、「がつんと行ってほしかったですね。僕のボールがちょっと弱かったので討ち取れたのだと思います。度会くん、すごくいい雰囲気を持っていますしので、来年楽しみに見て応援してあげてください」とエール。
最後ファンへのメッセージとして、「45周年記念イベントということで、5年後には肩を仕上げてくるので、その時を楽しみにしていてください!」と締めた。

この後は場内一周、そして全員で「I☆YOKOHAMA」の掛け声とともに花火が上がり、イベントは大盛況のうちに終了した。50周年に向けて歴史とともに新たなドラマがまた描かれていく。
(おわり)
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