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【特集】戦場への帰還 ~不屈の精神と長き闘いの記憶~ リコーブラックラムズ東京・松橋周平① 3度の前十字靭帯断裂「長くプレーするために考え方を変えた」

現在リコーブラックラムズ東京でプレーする松橋周平選手。

No.8として1年目(2016-17シーズン)に新人賞とベストフィフティーンをW受賞し、日本代表にも選ばれるなど順調なシーズンを送っていた中、2度の大怪我に見舞われてしまう。

しかし、そこには壮絶かつ不屈のストーリーが描かれていた。特集企画第2回を2本に亘りお送りする。

(取材協力 / 表紙写真提供:リコーブラックラムズ東京 、文:白石怜平 ※以降、敬称略)

日本代表の試合中、右膝靭帯断裂の大怪我に

松橋は明大から16年にブラックラムズに入団し、1年目からNo.8でレギュラーの座を掴んだ。

若さ溢れる勢いで突破口を開き、チームトップの10トライを決めるなど活躍。新人賞そしてベストフィフティーンに選出され、日本代表の一員にもなった。

2年目の17年も、春先から日本代表やサンウルブズの一員として世界を回り、2017-18シーズン開幕後もレギュラーとしてチームの主力を張っていた。

ここでも順当に日本代表に選ばれ、ウインドウマンス期間中の17年10月28日、ベスト電器スタジアム(福岡県)で行われた世界選抜に臨んだ。ここでプロ生活最初の大怪我に見舞われることになってしまう。

後半14分からフランカーとして途中出場した松橋は、ブレイクダウンの中でボールを奪い合っている際に、相手からのカウンターが自身の右膝に乗ってしまった。

当然強い痛みを感じながらも、試合も終盤に差し掛かる中での数少ないアピールの機会。ここですぐに交代するわけにはいかなかった。

「”あぁ、これヤバいかも”と思いながらも我慢してしまうタイプで(笑)。プレーはできたので、最後まで出続けました。ただ、関節が抜けたりしたので勘づくんですよ。”あるぞこれ”って…」

学生時代の経験から察しがついていた

試合後は足を引きずりながら、歩くのも満足にできないほど腫れと痛みに襲われた。

その後の診断の結果は「右膝前十字靭帯断裂」。後半のシーズン出場が絶望となってしまった。

次ページ:競技復帰まで半年以上を要する前十字靭帯の怪我

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