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「桜のジャージとは、ラグビー人全員にとって特別なもの」三重ホンダヒート 近藤雅喜 究極の選択の末に選んだ世界の舞台(全5回 #2)

近藤が感じた15人制と7人制の違いとは?

15人制と7人制。同じラグビーといえども非なる部分も多い。近藤も、「多くの選手は最初そのギャップに戸惑います」と語る。

人数は7人ずつでコートの広さは15人制と同じであるため、強くコンタクトするよりもスピーディーさが求められる。そのため、15人制ラグビーから挑戦する選手はフォワード(FW)よりもバックス(BK)の選手が多くなる傾向になる。

ただ、近藤のポジションは15人制だとロック(LO)・フランカー(FL)。体格の大きさなどフィジカルの強さも重要となるポジション。7人制に適応するためには体を作りかえる必要があるという。

 「自分の体の管理がポイントになってきます。15人制と7人制を兼ねているので、ここが一番難しいところです。セブンズに行くときは体重を減らして、15人制に戻る時は少し(体重を)上げるサイクルを繰り返していましたね」

15人制そして7人制と体をつくり替えて臨んでいた(提供:三重ホンダヒート)

上述した15人制と7人制との違い。これは競技に対する考え方そのものも変わってきているという。自身が小さい頃から見て、かつ両方プレーしたからこそ分かることだった。

「年々15人制と7人制で競技そのものが違ってきている感じます。10数年前までですと、セブンズの代表は15人制の代表に向けた登竜門のような流れだったのですが、今は世界的に7人制の競技力が飛躍的に向上しています。

なので、”7人制のスペシャリスト”が必要になっているのが実情でして、もはや両者は別ものという考え方になってきていると感じています」

日の丸での活動を経てより”プロフェッショナル”に

そしてセブンズでも日の丸を背負った経験は近藤の意識をさらに高めていった。トップリーグで活躍している選手とも寝食を共にし、対戦を通じて海外の選手やコーチとの交流は大きな刺激となった。

これらの経験がラグビーに対する関わり方を変えるきっかけになったという。

「日頃の生活習慣からラグビーの戦術や動き方など、あらゆるところが変わりました。より”プロフェッショナル”でなければならないと思いましたし、全てにおいて考えがまだ甘かったと実感しましたね」

近藤の考える”プロフェッショナル”とは何か、さらに訊いてみた。

「それはシンプルに毎日上手くなりたい・強くなりたいと考え、行動している人がプロフェッショナルだなと感じます」

トップレベルの選手と過ごし、生活から変わった(写真:本人提供)

その言葉通り、ラグビーのために生活の根本から見直した。起床時間を早くしたほか、食事でも栄養バランスを考えたメニューをさらに増やした。練習でも自主練習の時間や内容を見直すなど、24時間ラグビーに向けた生活に変えていった。

帰国後、もうひとつの憧れの舞台だったトップリーグの出場が叶うことになる。

つづく

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