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カンタベリー 子どもたちに明かしたラグビー日本代表ジャージの開発ストーリー ジャージーに詰まったファンの想いと”サステナブル”

8月25日、東京都内で「ラグビーから学ぶサステナブル 一緒にラグビー日本代表を応援しよう」が開催された。

抽選で選ばれた小学3年生〜6年生の男女20名の参加者に、9月8日(日本時間9日)から開幕するラグビーワールドカップ(W杯)で使用する日本代表のジャージーにおける開発ストーリーなどが展開された。

(取材協力 / 写真提供:ゴールドウイン、文:白石怜平)

子どもたちが”サステナブル”やラグビーの楽しさを学べる場に

今回のイベントは、スポーツアパレル大手のゴールドウイン社が主催したイベント。同社が持つブランド「カンタベリー」はラグビーにおいて、リーグワンや世界トップチームのジャージー製作などを手がけている。

日本代表においても、1999年からW杯過去5大会の代表ジャージー開発を担当している。

8日から始まるW杯フランス大会に向けて製作した日本代表のジャージーが、今回どのような想いで作られたのか。ゴールドウイン カンタベリー事業部の石塚正行さんが登壇し、ジャージーができるまでの過程などを語った。

参加した小学生20名に向けてラグビー日本代表ジャージの話が展開された

話のテーマは「日本代表ジャージーにこめられた『サステナブル』を学ぼう」。

ゴールドウイン社は「SDGs」や「サステナブル」という言葉が世で多く出る前から地球の環境について配慮し、サステナブルへの想いを大切にしている。

そんな想いから製品を作り過ぎないことや、環境に良い材料を使っていくことなどを真剣に考えて製品化してきた。

その背景や今回のジャージーがサステナブルな要素が多く盛り込まれていることから、子どもたちに楽しくラグビーの楽しさも含めて学べる場を提供した。

今大会の日本代表ジャージーの開発ポイントとは?

ラグビー日本代表2023のジャージーの大きな特徴として石塚さんは、「ラグビーファンの想いが込められたポリエステル100%ウエアを回収し、ケミカルリサイクルによって作られた、サステナブルなジャージーである」と説明した。

前回19年大会と素材での大きな違いは「再生ポリエステル製」であることと、現在のラグビーのジャージーはポリエステル製が主流であり、今回の日本代表ジャージーも再生ポリエステル繊維で製作された。

今回の製作手法におけるポイントは「ケミカルリサイクル」手法(資料提供:ゴールドウイン)

今回のジャージーで使用された「再生ポリエステル繊維」はペットボトルなどの原料を加熱溶解して再加工する”マテリアルリサイクル”の手法で製造されるものが主流。

しかし、この手法はトレーサビリティ(※)に課題があり、様々な原料が混在するため品質を一定に保つ難しさがある。

(※)生産情報や、流通情報を消費者自身が確認できる仕組み

そこで本ジャージー開発においては、原料を化学処理して再加工するケミカルリサイクルの手法に注目。ファンから回収したポリエステル製ウエアを原料に使用することで、トレーサビリティの確保と品質の安定を図ることにするという画期的なアイデアだった。

このリサイクル作業はファンの想いが詰まったウエアを新ジャージーにすべて用いることを最優先に実施。

ケミカルリサイクルによって再生された素材をもとに、フランスでの大会並びにそれまでの強化試合で使用するトップス(上衣)用の生地をつくりあげることに成功した。

ファンの詰まった思い出が日本代表ジャージーへ

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