「はじめたその日から、みんな主役になれる!」 地域そして野球界発展に向けたライオンズアカデミーの10年
「L-FRIENDS」活動を基盤とし、6地域へ展開
現在アカデミーの開催場所は、埼玉西武ライオンズが本拠地を置く埼玉県の6エリアで展開している。最初は所沢の球団施設1ヶ所からスタートしたが、縁が繋がっていき県内へと広げていった。その広がった過程を尾名高さんはこう説明してくれた。
「所沢の次は大宮だったのですが、毎年県営大宮球場で試合をしている縁から開設しました。その他の4地域についても、当時は『L-FRIENDS』(※)の柱の一つである”地域活性”を拡大の際のベースとしていました。ライオンズ フレンドリーシティという連携協定を自治体と締結しておりまして、地域活性の一環になるような活動をしていこうという想いで広げてきました」
※ 2018年3月に立ち上がった球団の地域コミュニティ活動。「野球振興」「こども支援」「地域活性」「環境支援」の4つの柱を基にそれぞれ取り組みを行っている。
今年の受講人数は延べ650人を超えるなど、県内各地で野球人口の拡大に寄与している。選手と同じ施設を使ったりライオンズOBから指導を受けられることから、県外からも受講する生徒もいる。
「遠いところだと群馬から来ている子もいますよ。片道2時間かけて来てくれているんです。あと東京や神奈川在住の生徒もいらっしゃいます」(石井コーチ)
ライオンズ トレーニングセンターで行う所沢校はアクセスの面からも東京都から来る生徒も多いという。
「最も多いのは所沢校(約440人)なのですが、西武池袋線沿線や多摩地域から来校できるので、東京都からも来られる方が多くいらっしゃいます。県外にもライオンズファンがたくさんいるのでありがたく思います」(尾名高さん)
また、男子生徒だけでなく女子生徒も在籍している。近年女子野球の大会が甲子園や東京ドームで行われ、ライオンズを始めNPB加盟球団が公認する女子チームが発足しているなど盛んになっている。石井コーチも、
「今20名ほどですかね。興味を持って一生懸命やってくれていますよ」
と現場で指導している中でその熱を感じていた。
事務局やコーチたちの想いは保護者の方々にどう届いていたのか。今年開始した新たな取り組みとともに後編で紹介する。
(つづく)