「人間性が高いからこそ超一流になれる」筒香嘉智が感じたメジャーでの”スポーツマンシップ”

1月20日、一般社団法人日本スポーツマンシップ協会はオンラインセミナー「高校野球の未来とスポーツマンシップについて語ろう」を開催した。ゲストとして慶應義塾幼稚舎教諭の森林貴彦氏(慶應義塾高校野球部監督)、スペシャルゲストとしてピッツバーグ・パイレーツの筒香嘉智選手が参加した。

(取材協力:一般社団法人日本スポーツマンシップ協会、文:白石怜平)

人間性が高くないと超一流にはなれない

森林氏と中村聡宏・同協会代表理事会長(千葉商科大学サービス創造学部准教授)の2人による約1時間のトークセッションを終え、本セミナーの第2部として筒香選手を招いて始まった。

初めに、中村氏と野球界についての課題感や期待感・スポーツを通じて学べることについて議論。※その時の記事はこちら

その後はメインテーマであるスポーツマンシップについての話題に。協会では、スポーツマンシップを「尊重・勇気・覚悟」を重要な項目として定義している。

尊重=「他者やルールを受け入れ、大切にする」・勇気=「自分自身との戦い」・覚悟=「困難を受け入れ乗り越えていく」と、それぞれ意味を込めている。

現在メジャーリーグで戦っている立場から、筒香選手がスポーツマンシップについてどう考えているか中村氏は尋ねた。

「アメリカでプレーした時に、相手に対する敬意の表し方が違うと感じました。打撃練習でボールを拾わない選手がいれば、”お前はBad Teammateだ”と言いますし、何か物が落ちていたのを素通りすれば『今、落ちているものが見えなかったのか?』と聞いたりします。

冗談を交えながらも、『お前は”Good Teammate”になれよ』と言い合えるので、それはチーム全員が本気とも聞こえています。なので、ボールを拾わなかった選手が次拾うようになっていました。一流選手になればなるほど実践している印象です」

中村氏は続けて、先日引退を表明した内村航平選手などを例に挙げ、「どんな競技であれども、トップになるほど人間性が高いというのは感じる点でしょうか?」と問いかけた。

筒香選手はこの質問を受けて、こう答えた。

「逆に人間性が高くないと超一流にはなれないと感じました。その感覚がないと素晴らしい選手にはなれない。技術でも人間性があるから自分で感じ取ることができたり、身体や心のセンサーがすごく性能の良いものになっていくのを見ていて受けました」

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