「Matsui 55 Baseball Foundation」設立のルーツ(後編)松井秀喜さんと初めて言葉を交わし、提案したリーグチャンピオンシップの試合前
15年に設立された「Matsui 55 Baseball Foundation」。巨人・ヤンキースなどで活躍した松井秀喜さんが代表理事を務め、野球の発展や普及活動などを行っている。
前編、設立メンバーでエグゼクティブ・ディレクターを務める白井孝明さんにそのルーツや松井さんの想いなどについて語っていただいた。
後編では、松井さんに初めての提案しに行った際のリーグチャンピオンシップの試合前のエピソードや、白井さん自身についてもお話いただいた。
(取材協力:Matsui 55 Baseball Foundation、写真 / 文:白石怜平)
NHLを経て04年、スタテンアイランド・ヤンキースへ
白井さんは現在ニューヨークに拠点を置き、スポーツエージェンシーを行う「LeadOff Sports」の代表を務める。同社は選手のエージェント業をはじめ、企業とリーグやチームの間に入りパートナーシップ締結のサポートに従事している。
東京都出身の白井さんは、大学まで日本で過ごした。卒業後、アメリカの大学院に進みスポーツマネジメントを専攻。
学生時代にアイスホッケー部だったこともあり、NHLのニューヨーク・アイランダースでキャリアをスタートした。04年に当時ヤンキース傘下の1Aだったスタテンアイランド・ヤンキースへと移り、08年まで勤めたのち「LeadOff Sports」を創業した。
スタテンアイランド・ヤンキースに入った際、当時のオーナーとはこんなやりとりがあったという。
「当時のオーナーが元々ニューヨーク証券取引所出身で、ご自身の会社を持っていた方なのですが、異文化を受け入れてくださる方だったんです。
証券取引所時代から一緒に仕事をする方たちがインターナショナルな人たちだったので、僕のような日本人が応募してきて、面接した時も優しく接してくれました。『君がこのチームで活躍できるのであれば獲りたい』ということで、その場で決めてくれました」
ここが野球界、松井さんとの関係への第一歩となった。
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