「プロサッカー選手の輩出は最終的な目的ではない」いわきFCが独自に構築した育成システムの概念とは
「プロサッカー選手の輩出が目的ではない」
いわきFCは東北を”復興から成長”へと導く、そしてサッカーのみならず、多種多様な人材をスポーツを通して輩出していこうとしている。その人材育成の核となるのが、独自に構築している組織「いわきスポーツ アスレチックアカデミー」である。
17年4月より開始し、いわきFCも組織に入っている同アカデミーにおいて、他クラブと大きく異なるのは「プロサッカー選手の輩出を最終的な目的としていない」点である。
復興から成長への担い手は職業も立場も様々。かつ、プロサッカー選手になることは多くの子どもたちが目標には抱けど現実は狭き門。アカデミーの門を叩いたとしても全員がプロ選手になれるわけではない。
クラブのアカデミーアドバイザーを務める小俣よしのぶ氏はこう話す。
「アカデミーでは、どんなことにも対応できる人材を育成しています。サッカーやスポーツだけでなく、様々な環境に適応していける人材が社会において必要と考えています。
『1つの事しかできません』『これを失ったら自分は生きていけません』ではなく、多様性を持った社会に順応できるようにシステムを築いています」
そして何より、子どもたち1人1人には大きな夢と可能性がある。これは子どもたちの特権である。
その特権を生かすためにも進路の選択肢を多く持ってほしい。その中でより適性の高い夢を叶えられたら、より一層力を発揮できる。そんな想いから育成システムは創られている。