ミズノ×田中将大投手による夢の企画「マー君ラボ」田中投手が生徒に語ったマウンドでの心構えと”緊張”との向き合い方
改めて感じた選手たちの”熱”
会の最後、6名の選手そして田中投手で全体を振り返った。当然ながら田中投手を見るのは初めての選手たち。感想を問われると
「オーラがすごく、そんな人に教えていただいて嬉しかった」
「すごく優しく教えていただきました」
とTVに映るマウンド上の鬼気迫る表情と実際に接した瞬間を頭の中で照らし合わせながら、間近で感じたオーラそして丁寧に指導してもらった喜びをそれぞれが表現した。
また、4月から始まる高校生活。それぞれ高校野球の舞台へと進んでいく予定。田中投手から教わったことについて訊かれると、
「今日、自分の知らないことを発見できた」
「このような体験ができて嬉しく思っています。どんな相手でも自分のピッチングができるように頑張っていきたい」
と、駆けつけた大勢のカメラを前に緊張しながらも、田中投手と過ごした夢の時間を今後の飛躍のきっかけにしたいと語った。
そして最後に田中投手が登場。今日のイベントを行った感想を改めて語った。
「あっという間でしたし、僕にとってもすごくいい時間でした。僕自身も企画から入りましたが、第1回ということなので、今後続けられるならやり方も改善できたらいいなと思っています。
限られた時間の中でうまく伝えようと努めましたし、教えた選手たちが今後、高校に上がってからも今日話したことが何かで活きればいいなと思っています」
自身で“企画から参加した”と語った通り、全国から寄せられた動画そして「田中投手から何を学び、プレーヤーとしてどのように進化したいか」という提出課題を隅々まで目を通した。その中で今回6名を選抜した決め手をここで明かした。
「いやぁ、(6名に絞るのは)難しかったです(笑)。映像も見て、教えるにあたって熱量のある子たちを選びたいと思いました。それぞれに感じるものはもちろんありましたが、自分の中で特に“熱“を感じた子たちを選びました」
今日参加した選手たちも、抱いていた疑問を田中投手へ投げかけた。まさに自身が選んだ根拠である選手たちの“熱“を肌で感じていた。
「みんなすごく聞いてくれたので、限られた時間の中で投げてもらうことのバランスを意識しました。ただ、僕の教えていることが誰にでも当てはまるわけではないので、『こういう考えもあるんだよ』という意味で捉えてもらって、もしいいなと思ってもらえたら採用してくれればいいし、一つのきっかけになれればいいなと思っています」
その中でも技術的な質問に的確に答えていた田中投手。その証として、アドバイス直後に実践し、「そうそう、感覚的に違うでしょ?」と変化が見られたことだった。選手たちも大きく頷きながら自分のモノにしようと投げ込んでいた。
「自分で言葉にするというのは、(自分で)理解をして整理しないと伝わらないので、その部分では自分でも考えを整理できたと思いますね」
と、教える側の立場として得られた経験についても語った。
今回開催された「マー君ラボ」。中学3年生を対象かつ6人という少人数に絞って行われた初の取り組みである。
改めて今までにない形での指導をやろうと思った理由、そして今後に向けて最後に答えた。
「少人数なので、関わり方の密度が上がると思いましたし、中学生の子に教えることでこれからの高校野球、その先のステップアップにつながればいいと考えました。
来年以降も続くのであれば、どんどんいい形にして子どもたちとコミュニケーション取れればいいですし、レベルアップにつながれば嬉しいなと思います」
ここから羽ばたく選手がさまざまな舞台で活躍することを願うとともに、来年以降さらに進化し続ける「マー君ラボ」の実現を楽しみにしていきたい。
(おわり)
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