ミズノ×田中将大投手による夢の企画「マー君ラボ」田中投手が生徒に語ったマウンドでの心構えと”緊張”との向き合い方
12月4日、明治神宮外苑室内球技場にて「MA-KUN LABO -マー君ラボ-supported byミズノ」が開催された。
選抜された中学3年生の投手6名が、楽天・田中将大投手から個別指導を受けられる特別な時間を過ごした。
ブルペンで個別指導を受け、質問コーナーでは最初にピッチングの技術面やトレーニングについての話題に。さらに発展し、心構えといったメンタル面についても質問が広がっていった。
(取材協力:ミズノ株式会社、写真 / 文:白石怜平)
田中投手の考える”緊張”とは?
前章で触れたピッチングやトレーニングの質問から話題はメンタル面へと移っていく。1人の選手が質問の中で「自分はキャッチャーからピッチャーになった」と話した。
田中投手も学生時代は捕手も務めていた。小学生時代は坂本勇人選手(巨人)とバッテリーを組み、駒大苫小牧高では1年秋の第35回明治神宮野球大会で背番号2を背負った。
自身も捕手から投手になった経験を踏まえて語った。
「自分の中で強みなのはキャッチャーをやったこと。一番近くでバッターを観察することができる。それはピッチャーをやっても”バッターを見て考える”ことはしていたので、それが自分の強みになった。
他の投手には中々ないものなので、キャッチャーのサインにただ頷くだけではなくて、自分でも考える意識を持つことはマウンドに立ってからも継続してほしい」
そんな田中投手に「バッターと対戦する中で意識していることは何ですか?」という問いも挙がった。
ここでは、直前の回答を踏まえて”自身で考える重要性”が詰まっていた。
「何を投げるかを決めるのはピッチャー。僕らが投げないと試合は始まらないし、実際に打者と勝負しているのはピッチャー。なので、自分自身の考えを持って臨む必要がある。『このコース嫌がっているな』・『今のタイミング合っているな』とか、常にバッターを見て投げてほしい」
これまで、日本のみならず世界の強打者と対戦し続け結果を残してきた田中投手。百戦錬磨の右腕にとって逆に苦手な打者はどんなタイプなのか。
「バッターに自分のスイングをされるのが嫌かなぁ。そのバッターの形でしっかりと捉えられること。ピッチャーはそれをさせないようにするし、タイミングをずらそうと思って投げているから。
”失投したら何かあるな”・”ミスしたらどうしよう”ってネガティブに考えてしまうので、”絶対抑えてやる”といったポジティブには捉えられない」
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