
日本プロ野球名球会 野球命名の地に集結 伝来150年の記念に花を添えるレジェンドたちの躍動
サヨナラからの”延長戦”
裏の名球会の攻撃、投手は”百獣の王”こと武井壮が務めた。先頭のアレックス・ラミレス(元ヤクルト他)が四球で出塁すると、続く打者は古田。
ここ坊っちゃんスタジアムは、自身にとって名球会入りを果たす2000安打を放った思い出の地。
ここでサヨナラ勝ちへの機運を高めたいところだったが、外角高めを打ち損じ痛恨の遊ゴロ併殺。思わず一塁ベース手前で帽子を叩きつけ悔しさを露にした。

しかし、ここから一気に動きを見せる。打席に立ったのは藤川。現役時のほとんどが救援投手であったため、打席に立つシーンは少なかったが、実は左打ち。
高めの球を引きつけると、痛烈な打球がレフト線を抜け二塁打に。打者顔負けの技ありのバッティングを見せサヨナラのチャンスをつくった。

そして、次打者・田中が右方向へ打ち返すと二塁手の正面へ。ここで引き分けかと思われたが、送球が一塁手の手前で弾み捕球できず田中がセーフに。その間に藤川もホームインし、名球会がサヨナラ勝ちとなった。

ただ、ここでは終わらない。松竹ロビンスからの”交渉”で1イニングの延長が決定。特別に6回表が行われた。
名球会の”抑え”はラミレスが担うことに。ヤクルト時代の盟友・古田とバッテリーを組んだ。最後は同じく盟友の遊撃・宮本への真正面のライナーで締めゲームセット。名球会チームが逆転勝利を収めた。

試合後は表彰式が行われ、MVPには同点タイムリーを放った井口・敢闘賞には先制打の上地が選ばれた。
金のグラブ型のトロフィーを受け取った井口。昨年まではロッテの監督として指揮を執り、常に厳しい表情で試合を見守る姿が多かったが、この日は試合前から常に笑顔を交えていたシーンが印象的だった。

また、本イベントでMCを務めた下村泰司は井口の國學院久我山高校で1つ先輩に当たる。この日久しぶりに再会し、最高のプレーを先輩の前で見せることができた。
そして最後は場内一周し、この日平均気温5度台ながら最後まで試合を見届けたファンに感謝の意を表した。

「野球伝来150年イベントin 松山」は無事に終了。昨年は12月に沖縄でイベントを開催するなど、名球会もコロナ禍前の活動を取り戻しつつある。
次はどんなイベントでその勇姿を見せてくれるのか。ファンはその期待をさらに増している。
(おわり)
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