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市川市「国府台スタジアム」がリニューアル 小笠原道大さんがセレモニーで語った長年の縁

3月30日、千葉県市川市で「国府台スタジアム 」のオープニングイベントが開催された。

市を挙げて行われたセレモニーには、元プロ野球選手の小笠原道大さんも登場し、新スタジアムの門出に大きな花を添えた。

(写真 / 文:白石怜平)

伝統あるスタジアムが建て替え工事を経てリニューアル

スタジアムは「国府台球場」として1950年に竣工。53年には毎日オリオンズ(現:千葉ロッテマリーンズ)のファームが本拠地として使用し、近隣に合宿所も併設されていた。

以降は市の高校野球の会場になるなど、長きに亘り市川市の野球を支えてきた。老朽化が進んできたことから、旧球場を一度取り壊し建て替えを行っていた。

建て替えに当たっては文化財の発掘調査に伴う2度の延期を経て、23年10月に工事を開始。ついに完成の時を迎えた。

この春ついに完成した国府台スタジアム

総額約45億円をかけた新スタジアムは、全面人工芝で両翼95m・中堅122m。収容人数はスタンド席と外野の芝生席を合わせて約3200人となっている。

プロ野球の公式戦も開催可能で、8月2日にはイースタンリーグ公式戦のロッテーヤクルト戦が行われる。

10代の頃からスタジアムに縁がある小笠原さん

オープニングセレモニーは、市川市の野球チームが集結。少年野球と共に還暦・古希野球そして身体障がい者野球など、様々なカテゴリのチームが新球場の完成を祝った。

身体障がい者野球チーム「千葉ドリームスター」も参加した

田中甲・市川市長や加藤武央・市川市野球協会会長などが挨拶を行い、特別ゲストとして小笠原道大さんがグラウンドに登場するとこの日一番の拍手が送られた。

小笠原さんは現役時代から社会貢献活動として、市川の野球活性化に取り組んでいる。

2007年から自身の名を冠した少年野球大会「小笠原道大杯」を主催し、09年に千葉ドリームスターを創設。以降、この2軸を中心に20年近く市川市の野球を盛り上げている。

市川市の野球の象徴である小笠原道大さん(昨年12月の小笠原杯閉会式にて)

壇上に立った小笠原さんが「みなさんおはようございます!」と挨拶すると、ユニフォームを着た子どもたちから大きな声が返ってくる。

ここで小笠原さんは国府台球場との深い関わりを明かしながら、新たなスタジアムで築き上げる未来に向けて希望を寄せた。

「私が国府台球場に初めて足を踏み入れたのは38年前。14歳の時に高校野球の応援で初めて来ました。それから今日まで様々な関係があります。

NTT関東(現:NTT東日本)で過ごした社会人野球時代。子どもたちに向けた野球教室をやっていたのですが、その舞台はここでした。

そしてプロに入り、現役時代から今も続けている少年野球大会『小笠原道大杯』もこの球場で行っておりました。

これから先もスタジアムとの縁は続く

この素晴らしいスタジアムがリニューアルオープンするということで、また市川の野球熱が加熱してさらに発展することと思います。

これから行われる様々な試合を通じて人の輪が広がること、また少年野球野球では子どもたちが練習や試合を通して成長し、世界に羽ばたくことを願っております」

トークショーと始球式にも登場し、市民の歓声は続く

セレモニー後は小笠原さんによる特別トークショーが行われた。ここではマリーンズ応援番組「MARINES FREAKS」ナビゲーターのお笑い芸人・こにわさんも登場。

以前YouTubeの番組で共演経験もあることから、軽妙なトークが繰り広げられた。

話題は今年のプロ野球や、ここ国府台スタジアムで行う活動についてなどで盛り上がった。

セレモニー後はトークショーに出演した

旧国府台球場ではセレモニー時の挨拶で語っていた通り、少年野球大会「小笠原道大杯」の会場の一つとして子どもたちが羽ばたく場となっていた。

今年から6年ぶりに開会式・閉会式などでも活用され、晴れてこの地に帰ってくることとなった。一足先に22年リニューアルを果たした妙典少年野球場らと共に、市川市の少年野球がさらに活性化する環境が整った。

こにわさんから、「20年近くという本当に長い間続けていますが、子どもたちの姿を見続けてどんなことを感じていますか」という質問が寄せられた。

開会式や閉会式には必ず姿を見せ、熱戦を見届けるとともに子どもたちの記憶に自然と刻まれるメッセージを贈っている小笠原さん。

常に成長を見守っているからこそ分かる、その変化を語った。

「みんな成長が早いんですよ。小学5年生を対象にした大会なのですが、投げる速さや打球の速さ。年々上がっているように感じます」

また、グラウンドの外でも子どもたちの成長を感じられた機会があったという。それは長きにわたり継続しているからこそ出会ったエピソードだった。

「小学校5年生の時、『小笠原杯に出ていました』と声をかけてもらえる機会も増えたんです」

小笠原杯が子どもたちにとって羽ばたく場であることが分かるエピソードだった

ショーの途中では抽選会も行われ、自身のサインボールが賞品として挙がった時は会場から老若男女問わず抽選番号に注目していた。

そしてプログラムの最後は少年野球チームと市川市議会チームの公開試合が行われた。少年野球チームは昨年の小笠原杯で優勝を収めた「新浜野球部」が市を代表して臨んだ。

始球式は田中市長が務め、マウンドに立つと打席には小笠原さんが立った。市長の投球がノーバウンドで届くと往年のスイングを見せ、会場はさらに大きな拍手で包まれた。

最後は始球式で打席に立った

「プロ野球も開幕しました。国府台スタジアムもいろんな世代の人たちが野球に携わっていく場になっていくと思います。みんなで応援したり、プレーをすることで野球をどんどん盛り上げていきましょう!」

と最後に語った小笠原さん。念願のリニューアルを果たした国府台スタジアムで、市川の野球史にまた新たな歴史が刻まれていく。

(おわり)

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