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「筋肉ムキムキの選手たちが90分間倒れずに走り続ける」いわきFCが築き上げる”ブランド”〜いわきFC 特別連載企画(第3回)〜

いわきFCが創り上げる”ブランド”

いわきFCは明確にビジョンやミッションを掲げているが、ここで特徴的なのは「Jリーグ昇格が目的ではない」ことである。Jリーグ昇格はあくまで手段。大倉もこれまでメディアで「目的と手段を違えてはいけない」とたびたび発信し、意識づけを徹底してきた。

そうは言えども、いわきFCもプロサッカークラブ。興行であるため、ピッチでプレーする以上、「勝利」が最大の成果であることは強く認識している。

クラブにとってサッカーは”商品”。サポーターからもお金をいただいている以上は、勝利を重ねてJリーグに昇格することで地域が活性化されていく。当然そこを目標に置いている。大倉はその上でこう付け加えた。

「サポーターにどんな価値を提供するか」に向き合う(©︎IWAKI FC)

「サッカーを観に来ている方たちに『何を売っていますか?』の問いに向き合わずに、目先の勝利だけになんとなく向けている感覚ではダメだよねとずっと思っている。その感覚を経営者が持たないといけないし、それができてくるとクラブとして面白くなるはずです。でも勝つことことが最大の目標。その世界観を持っていないと発展性がないです」

ピッチでは勝利を目標とした上で「どう勝つか」。いわきFCのサッカー=”商品”の特徴は何か。そこを明確にしなければならないと大倉は考えている。

「ストーリーとしては震災復興のためにできて、ビジョンがありますよね。サッカーでは『フィジカルスタンダード』。強靭で筋肉ムキムキの選手たちが90分間倒れずに走り続ける。これが我々のブランドになります」

筋骨隆々の選手が走り回る。いわきFCの”ブランド”(©︎IWAKI FC)

大倉も自身のSNSでサポーターや市民との交流も大事にしている。昨年4月にTwitterで「いわきFCから連想するモノ・コトはなんでしょうか?」と問いかけた。自身が思い描いた答えが多かったという。

「アンケートをとりましたけども、”筋肉” ”倒れない”とか。”フィジカル” ”復興” “未来”などがどんどん出てくる。そういうのがブランドとして定着できている。ブランドですよ。

大倉代表取締役の当時のTwitterアンケート

いわきFCと言えば”筋肉”だよねそれでいいんです。実際そうだから。”震災復興するためにできたチームだよね”って言われたいんですよ。何なら”フィジカルバカ”だねって言われたいです(笑)だって他のチームにはないですもの。そういうクラブ」

大倉は誇らしく、笑顔で語ってくれた。(つづく)

※取材協力 / 写真提供:株式会社いわきスポーツクラブ

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