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サッカー元日本代表 鈴木啓太 引退を決断した真相と”水を運ぶ男”の歩む道 〜連載企画最終回〜

サッカー元日本代表で、現在はアスリートの腸内細菌を解析するバイオベンチャー「AuB株式会社」の代表を務める鈴木啓太氏。

本連載では鈴木のサッカー選手としての現役生活にフォーカスし、今回が最終回。

本編では、引退を決断するまでの葛藤と現在の活動そして今後の夢について伺った。

(取材協力 / 写真提供:AuB株式会社、以降敬称略)

自ら決めた最後のシーズンそして引退

14年11月3日の第31節・横浜FM戦の前半、鈴木の身体に突如異変が生じた。ハーフタイムに交代し、その後の検査で不整脈であることが判明した。

シーズン終盤に突然襲った病。自身でも先が見えない状況の中、ある覚悟を持って翌シーズンに臨もうとしていた。

「14年の11月に突然おかしくなって、年末まで(手術含め)どんな状況になるか、プレーを続けられるのかすらも分からなかったんです。クラブとして契約を更新すると言っていただきましたが、体調がどれだけ回復するのか・チームにどれだけ力になれるかも見えなかった。なので、15年このシーズン(15年)でレッズとしては最後にすると決めていました」

15年、自ら決めた「浦和レッズ・鈴木啓太」として最後のシーズンが開幕。ベンチから戦況を見つめる試合も続く中、複数クラブが獲得オファーを出していた。

自身のコンディションを踏まえ、J1の舞台でプレーすることは厳しいことは春の段階で察していたという。J2ないしはJ3のクラブで現役を続けることも視野に入れつつ、シーズンを送っていた。

葛藤を続けていた10月、当初の決意通り自身のSNSで16年間プレーした浦和を退団することを発表した。その時の反響が鈴木の心を動かした。

「先にSNSで発表したのですが、『どこでプレーしても応援するよ』といった声をたくさんいただきました。それを見て『他のチームでプレーするのはやめよう』と決心がつきましたね。レッズサポーターの応援している姿を思い浮かべたら複雑な気持ちになるだろうと」

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