鈴木啓太が挑むコンディショニング改革「全てのアスリートを応援したい」

1月末、都内でスポーツ指導者の祭典「第7回ジャパンコーチズアワード」が行われた。
表彰式に先立ち、元サッカー日本代表で現在は「AuB株式会社」の代表取締役である鈴木啓太氏が登壇し、「腸から整えるコンディション」について語った。(以降、敬称略)

原点は母の教えと現役時代

2000年から2015年まで浦和レッズ一筋でプレー。現役生活にピリオドを打った翌16年からAuB株式会社の代表取締役に就任した。アスリートの腸内環境を研究し、講演活動にも積極的に登壇している。

なぜ引退後に腸内環境の研究の分野に進んだのか。原点は母親から「人間で一番大事なのは腸」と教えられたことだという。幼少期からサプリメントを摂取することやお腹を温めるなどして腸のコンディションを整えてきた。

腸内環境を整えることがどれほど大切か。それを実感した機会が2004年のアテネ五輪・サッカーアジア予選である。
中東のドバイで行われた同予選では、23人中18人が下痢の症状に襲われた。選手たちが体調不良で苦しむ中、鈴木はその影響を受けなかった。

幼少期からのコンディショニングに加え、海外遠征時は緑茶と梅干を持参していた。結果、万全な状態で試合に臨むことができたのだ。この時に感じたのは「いくらスキルを磨いていても、試合でパフォーマンスを出せなかったら意味がない」ということだった。

浦和レッズでプレーしていた2014年、無観客試合を経験した。感情の揺れ動きのないスタジアムの中で試合を行っても1試合の価値は公式戦と一緒だ。
ただ、鈴木にとってはアスリートとしてプレーを見せられないことが何よりも辛かった。

熱い応援で知られるサポーターがスタンドを赤く埋め尽くし、相手チームに威圧感を与える。そんな環境でプレーをしていたことから、応援している人の役に立ちたいと今も強い想いを抱いている。

現役時代の経験も今につながっている

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