”本気でJリーグを目指す” 新社会人サッカークラブ 「FC NossA 八王子」クラブ誕生のきっかけと子どもたちへの想い。
「子どもたちは宝」平本が描くクラブ像
また、アドバイザーでは平本一樹氏・常盤聡氏が加わった。共に八王子出身の元Jリーガーである。
今回取材に協力いただいた平本は八王子出身初のJリーガーで、98年にヴェルディ川崎に入団。07年に横浜FC、12年にFC町田ゼルビア、13年にヴァンフォーレ甲府にいずれも期限付き移籍でプレーした後16年にヴェルディに復帰。
17年に一度引退しFC町田ゼルビアのチームPRリーダーに就任するも、翌18年8月に八王子FCに入団し現役復帰した。
現在はFC町田ゼルビア強化部に在籍しながら、地元八王子を盛り上げるべくクラブをサポートしている。
生まれ育った八王子で新しいチームを立ち上げることになり、「地元って特別じゃないですか。どうにかして恩返ししたいと思っていますよ」と期待に満ち溢れた想いを語った。
平本は地元を盛り上げるにあたり、参考になった話を紹介してくれた。
「以前、女性で初めてJリーグの理事になった米田(恵美)さんという方が『Jリーグをつかおう!』という考え方があって、その記事を読みました。それが共感することしかないほどすごくいいこと言っていて。『”応援してもらう”じゃなくて”応援してもらうための活動をする”』と。
八王子だったらJリーグにはもちろん行きたいですけども、まずはサッカーやスポーツを流行らせて市を盛り上げる。その過程で”気づいたときにはJリーグが近づいてきた。” それが理想だなと感じているんです」
そして、平本が最も大切にしていること。それは未来を担う子どもたちである。既存の2チームを統合する際にも「子どもたちが八王子でJリーグを目指せるチームを作りたい」と訴え続けてきたほど子どもたちへの想いは強い。
「社会人リーグは選手とサポーターの距離がとても近いので、そこを保っていきたいです。子どもたちに向けて試合前にサッカースクールをやって、その子たちに応援してもらうこともやっていきたいなと。手を伸ばせば触れられる位の距離に選手がいるのは本当に良い環境だなと思うので、大事にしたいです」
ヴェルディ時代、平本がジュニアユースの頃から共にプレーしてきた土屋もその考えは全く同じだ。平本の会話に入り想いを重ねた。
「一樹が言うように八王子の子どもたち、大人も含めて一緒にプレーしたり、サッカー教室をやったりというのをどんどんやって行けたらと思ってるんです」
平本は続けて、クラブと子どもたちと触れ合ったエピソードに心打たれた話を披露した。
「以前、ブリオベッカ浦安の試合を観に行った時に、応援しに来てくれた子どもたちと試合後にも触れ合ったりしてるんですよ。選手のことはまだ分からないのでしょうけども、子どもたちがすごくキラキラしてるんですよ。うれしそうにしていて。
『10番の選手が一緒にボール蹴ってくれたんだよ』って親子で話しているのを見てすごい良いことだなと思って。
そんなチームが地元にあって市民と関係を築いて行けたらすごい選手が育ってくると思うんですよ。八王子には子どもも多いですし、そのポテンシャルはありますよ。子どもたちは宝ですから」