高校サッカー優勝監督 長谷川大 独自の分析方法”攻撃指数”とその活かし方とは?

3月12日、指導者の表彰式である「ジャパンコーチズアワード」が開催された。2021年において優れた指導者と評価され、選ばれた者たちが今回壇上へと上がった。

イベントの際には特別セミナーが行われ、2人の特別ゲストが講演を行った。

1人目はいわきFCを運営する「株式会社いわきスポーツクラブ」の大倉智 代表取締役、続いて山梨学院高校サッカー部 長谷川大前監督が講師を務めた。今回は長谷川氏編をお送りする。

協力:一般財団法人日本スポーツ推進機構(NSPO)文:白石怜平、以降敬称略

独自のデータに基づく戦略立案をテーマに解説

長谷川は、昨年の「第99回 全国高等学校サッカー選手権大会」で同校を優勝に導き、同年のジャパンコーチズアワードで優秀コーチ賞を受賞している。

2004年に秋田商業高校のサッカー部監督に就任し、14年に神奈川大学サッカー部監督、18年に山梨学院高校のヘッドコーチを経て19年から昨年まで同校の監督を務めた。

今年4月より、国際基督教大学体育会男子サッカー部(ICUFC)のスポーツダイレクターと仙台大学サッカー部のテクニカルアドバイザーに就任した。

カタールワールドカップ(W杯)アジア最終予選の日本代表として活躍し、大会出場に貢献した伊東純也選手(ベルギー1部ゲンク)も神奈川大時代の教え子の一人。

本セミナーでは、「サッカーにおけるスタッツを用いたデータ分析 〜チーム特徴を考察し、戦略へ活かす〜」をテーマに講義を行った。

講義内容は監督独自のデータに基づく戦略立案と公式記録を用いたデータ分析。対戦相手をどう分析するかはそれぞれやり方があるとし、長谷川の行ってきた手法を解説した。

攻撃度数の概要

まず、行ったのは相手を指数化すること。自分独自のデータを用いて指数を作り出す。さらにチーム同士を比較することで特徴を浮かび上がらせるのである。

次に、ロジックとハートの順番。昔の部活動というのは”頑張れ”などと声をかけることで選手の心に火をつける根性論的な部分があった。

長谷川は大学で指導する上で論理的に、”なぜそうなるのか”・”なぜそうしないといけないのか”を最初に伝えることが必要と考え、山梨学院高に移った際も高校生に向けて同じ方法で展開した。

「ロジックを教えることで、火がつくハートも大きくなる。そういう時代に突入したと思い、分析を用いて論理のもとで選手を動かす時代が来たと考えています」

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