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「UNDER ARMOUR ATHLETE SUMMIT」いわきFC編 〜チームスポーツやアスリートに必要不可欠なメンタルを語る〜

メンタルの重要性

廣瀬:セッションの前にメンタルって大事なのかという話もありましたが、「メンタルって何?」ということについて実体験も交えてお話を聞かせていただけますか?

「技術×戦術×スキル」を掛け算してメンタルが0だったら0とよく言われると思います。

田村監督や渡邉コーチは小学校から大学生のスカウティングをやって選手を見たときに「この選手上手いね」だけではなく、「この子はどんな子なの?」と遡って指導者に聞きに行きます。そうすると、伸びる子の傾向はあるけれど、メンタルの場合は数値化するのが難しい。

世界で活躍する選手には共通点があるという(©︎IWAKI FC)

でも1つ傾向があって、実は平松に今ヨーロッパで活躍している選手たちが「小学校の時はどんな子だったのか」というヒアリングをしてもらい、共通点があったんですよ。

平松:世界で活躍しているプロサッカー選手は、小さい時から目標を明確にあってそれに向けて努力していける子が成功する・世界に出ていると思っていただのですが、実は違くて、自分が成長していく過程の中でそういう思いが生まれていくことがわかりました。

全員一致したのが自分のウィークポイントと向き合っていける子。克服するのは大変なことで、自分が苦手なことをやらないと克服できない。

ストロングは自分の好きなことを伸ばすので誰でもできる。ウィークポイントを伸ばして行けた子が上の世界に行っているのは共通していました。

大倉:小さい頃から自分ができないことを理解して自発的に取り組んでいった子が世界で活躍している。遠藤航(ブンデスリーガ・VfBシュトゥットガルト)がそうだよね?

田村監督:彼は考える力とか、物事の捉え方がズバ抜けていました。彼が湘南ベルマーレでデビューした時にWボランチで組んでいましたが、緊張した感じがなく元々物怖じしない性格なんだなと。なのでミスを恐れなかったり、ミスしてもそこから学ぶ力が長けていると思いましたね。

遠藤航がデビューした際の印象を語った(©︎IWAKI FC)

廣瀬:自己認識や自分を客観視できる点があるのでしょうか? 

大倉:あると思います。現役時代は試合に出れないなど外的要因でイライラしてしまう。そういう時に冷静に客観視できるかどうか、自分のコントロールできることに集中できるかどうか3年後変わってくる。できなくて3年後に消える選手もたくさんいますから。

廣瀬:こういったことはどう教えていきますか?みなさん現場に立たれていますが。

渡邉:私は今年からトップチームのコーチになりました。自分が意識しているのは、試合になかなか絡めない・上手くいっていない選手たちへのアプローチです。

昨年までもアカデミー統括ディレクターとしてトップチームの選手たちと関わっていましたが、そこで選手たちと話していて「常に矢印は自分に向けろ」と話していた。

個人スポーツだと結果の責任は自分が受けるので矢印は自分に向くと思うのですが、チームスポーツですから。上手くいかない選手たちに話を聞くと、「監督が見てくれない」「あいつがパスを出さない」などと必ずどこかで出てきます。

「矢印を自分に向ける」その必要性を説いた渡邉(©︎IWAKI FC)

私も若い時にありましたが、矢印が自分じゃない方向に向くことがどうしてもあります。現役生活を18年と長くやってきた中で上のレベルに行った選手を見ていて、入った当初は期待されてない人でも伸びたケースを見ると、その観点はすごい強いと感じました。

今もコーチとして、試合に出場できていない選手には紅白戦も含めて「自分に矢印に向けて成長するという観点で見れているか」をチェックしています。

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